液晶失速、有機EL好調、薄型テレビ巣籠り特需で1年経過

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2021/05/23 18:30

 有機ELテレビが好調だ。薄型テレビ全体ではこの4月、販売台数前年比で96.6%と久々に昨年を下回った。特に、液晶テレビは92.1%と2桁割れが目前。新型コロナ感染症拡大に伴う、巣ごもり特需は一旦終息した形だ。一方で勢いを増しているのが有機ELテレビ。この4月でも前年比で182.3%と、倍増に迫る売り上げが続いている。全国の主要家電量販店ネットショップの実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。


 有機ELテレビの販売比率は、4月時点で台数が8.9%と1割に満たない。しかし、金額では24.1%とほぼ4分の1の規模にまで拡大。存在感が増している。48型以上の大型製品しかなく、平均単価が20万円を超える商品が多いためだ。高画質で映像の応答速度も速くスポーツ観戦にも適した有機ELテレビ。ワンランク上のテレビとして、定着してきた感がある。液晶テレビに比べればまだまだ割高だが、その分プレミアム感も高い。2011年7月に地デジ化してまもなく丸10年。買い替え需要も活発化してきた。コロナ禍で行き場を失った消費意欲が、有機ELテレビにも向かっているようだ。

 最も売れている画面サイズは55型で、58.5%を占める。65型が23.3%で続く。このところ売り上げを伸ばしているのが、最も小さな48型。昨年4月時点では1%にも満たなかったが、この4月に14.9%を占めるまでに拡大してきた。平均単価(税別)が16万2000円で、大きさも価格も手ごろな範囲に収まっているのが人気の理由だ。最も売れている55型も18万6000円と20万円を切っている。
 

 台数シェアで1位、2位を争っているのがソニーパナソニック。この1年では、おおむねソニーが強く35%前後のシェアを維持してきた。パナソニックは月によってはソニーを上回る場面もあったが、30%前後のシェアで推移している。この4月は、ソニーが34.0%でトップ、パナソニックが26.8%で追いかけている。昨年5月に有機ELテレビに参入したばかりのシャープは、20.8%で3位。初めて2割台に載せてきた。年末商戦からシェアを伸ばしている。

 単価の安い48型に限るとシャープのシェアが40.7%と最も高く、昨年は断トツだったソニーからシェアを奪っている。55型、65型では、ソニーとパナソニックが競っており、55型でパナソニック、65型でソニーがトップシェアだ。より大きなサイズの77型では、ソニーが9割以上を握っている。(BCN・道越一郎)

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