コロナ禍で販売急増の「冷凍庫」、選び方のポイント

販売戦略

2021/04/17 19:00

【家電コンサルのお得な話・42】 コロナ禍で2020年からよく売れている商品の一つに「冷凍庫」がある。飲食店で食事をする機会が減った代わりに、内食需要で家庭における冷凍食品などを保存する量が増えたためだ。ひそかなブームの冷凍庫の選び方をまとめた。


 冷凍庫の冷却方式には、直冷式とファン式の二つがある。形状は「上開き」もしくは「前開き」で、上開きの多くは、消費電力が少なくて運転音が静かな直冷式になる。

 20数年前、勤務していた家電量販店で冷凍庫を展示することになった。当時導入したのは2機種で、両機種とも上開きのものだったと記憶している。筆者の家庭でもその頃、共働きに加えて、子供が食べ盛りになってきたことと、冷蔵庫の容量が小さめだったことから、上開きの冷凍庫を購入した。

 本体を置くスペースさえあれば問題ない手軽さもよかったし、冷凍庫の実際の使い勝手も試したかったため、あまり深く考えずに購入したのだが、残念ながら筆者の生活には合わなかった。

 なぜなら、主に冷凍食品を保管していたのだが、上開きのため、下の方の食品が確認しづらく、高さも腰の位置くらいまであったため、頭を庫内に突っ込むようにしないと下の食品が取れなかったからだ。その上、霜取りが必要なため、妻からよく小言を言われたのを覚えている。
 
上開きで詰め込むと、下の方の食材が確認しづらくなる
(画像はイメージ)

 ただ、冷凍食品のような小さな食品ではなく、ブロック肉や魚介類などの大きな食材だったら、上開き機種の良さが実感できたと思う。

 現在では冷凍庫の機種も増え、前開きタイプも多く出ているし、容量も種類も豊富で選択の幅が格段に広がっている。前開きタイプでは、耐熱、耐荷重のトップテーブルになっている機種もあり、電子レンジなどを置くこともできる。

 よく保存する食品を考え、(1)直冷式かファン式か、(2)上開きか前開き(基本的に右開き)か、(3)庫内の区分け――などを確認し、自分の生活に最適な使いやすい機種を選んでほしい。

 内食需要による食品の買いだめで、冷蔵庫の容量が不足し、庫内が一杯になっている家庭は、電気代が高くなっているケースが多いのでチェックしよう。冷蔵庫の詰め込みが解消し、庫内にゆとりがでれば、冷凍庫とトータルでも電気代が安くなる可能性も高い。

 また、冷凍庫は、まとめ買いによる買い物回数を少なくできるなど、生活自体がいい方向に変わる商品でもある。最近ではIoTに対応して庫内の在庫が管理できるなど、機能的に優れた商品も多くなっている。ぜひ、変化した生活に合わせて、冷凍庫を上手に活用していただきたいと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile

堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。