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2月オープン・18時営業終了のスーパーから考える働き方改革

オピニオン

2021/03/22 19:00

 東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県は、3月21日をもって緊急事態宣言が解除された。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大対策が不要になったわけではなく、国は新しい生活様式として、密閉・密集・密接(3つの密)を避け、会食はできるだけ家族や4人以下の少人数にとどめるよう呼びかけている。

緊急事態宣言に関する告知(内閣官房)

 この1都3県の緊急事態宣言中の2月11日、東京都小平市のアウトモール型複合商業施設「アクロスプラザ小平」にオープンしたスーパー「ロピア小平店」は、通常営業時間を9時~18時に設定。従業員のワークライフバランスに配慮するため、開店時刻は通常より1時間、閉店時刻は2時間前倒し、1日の営業時間の1時間短縮と、夜間の外出自粛要請を逆手にとった、朝型シフトの戦略に出た。
 
神奈川県を中心に1都3県に出店し、関西エリアにも進出したロピア

 利用したことのあるロピア店舗の品揃え、価格帯、混雑ぶりを考えると(小平店は訪問していない)、18時閉店は妥当だと思った。標準店舗の営業時間10時~20時は、スーパーとしては遅めの開店時刻で、朝7~8時から営業している駅構内の小型スーパーや物販店と比較すると早いわけではない。なお、4月から一部店舗は9時開店に前倒しするという口コミを見かけたが、公式サイトの店舗情報には反映されていない。

 通勤電車や商業施設の混雑緩和のため、今までは机上の空論に等しかった「在宅勤務・テレワーク」「時差通勤」や、朝夕の通勤ラッシュ時間帯の混雑緩和につながる「週休3日制」などが現実的になってきた。国土交通省が3月19日に発表した「令和2年度テレワーク人口実態調査結果」によると、雇用型就業者のうち「テレワーク制度等に基づくテレワーカー」の割合は、前年度の9.8%から19.7%と倍増し、緊急事態宣言が発令された2020年4~5月のテレワーク実施率は、首都圏に限ると31.4%に達した。在宅勤務・テレワークはたった1年で、そこそこ浸透したといえるだろう。
 
国土交通省が定義するテレワーク制度等に基づくテレワーカーは、
令和2年度の目標を超えた

 同調査によると、テレワーク時の勤務場所は約9割が自宅だが、「勤務状況が厳しくなった(仕事に支障、勤務時間が長くなるなど)」「仕事をする部屋等の環境が十分でなく不便」といった回答も多かった。ただし、これら課題の解決策となるコワーキングスペースの利用意向は4割以下にとどまった。
 
テレワークの課題(複数回答可)

 前述のロピア 小平店は、従業員に短時間勤務という選択肢、買い物客に新しい生活様式として「日中の来店」や混雑度の低い「平日の来店」を提案している。ついまとめ買いしてしまう激安スーパーのロピアだからからこそ可能だという見方もできるが、もし、他のスーパー、他のカテゴリーの小売店も追随するようなら、1週間あたり1日休みを増やす「週休3日制」の本格導入に向けた議論が活発になりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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