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「総額表示」義務化が復活、2021年4月1日から 消費者向けの値札や広告が対象

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2021/01/19 19:00

 1989年4月1日の消費税導入から04年3月31日まで、「税別価格+税」といった表記と消費税分を含む税込み表記が混在していた。しかし、04年4月1日に、商品本体や値札、チラシ、広告に消費税額を含めた金額を記載する「総額表示」が義務付けられた。この総額表示制の導入当時、小売業や広告代理店・印刷業界でちょっとした騒ぎとなった。

 しかし、消費税率が5%から14年4月1日に8%、19年10月1日に10%へと、段階的に引き上がることが決定し、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)第10条に基づき、特例処置として、現に表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じていれば、税込み価格を表示しなくてもよいとされた。増税延期のため延長された特例期間は、今年3月31日で終了し、21年4月1日以降、総額表示義務化に戻る。
 
総額表示の例

 国税庁が公開している「タックスアンサー(よくある税の質問)」のNo.6902によると、「総額表示」は、消費者に対し、商品やサービスの取引価格を表示している場合であり、価格表示がされていない場合に強制しない。口頭での価格交渉時なども対象外。
 
SIMフリー版iPhone SEの(第2世代)の価格例。
4月1日以降は総額表示(下)に統一される

 1月19日時点でAppleの公式サイトでは、iPhone SE 64GBの価格を「4万4800円(税別)」と記載しているが、4月1日以降、10%の消費税額を含む「4万9280円」と記載しなければならない。実際の支払額は同じだが、しばらく税別表記だった商品のプライス表示が税込み表記に移行することで値上がりしたように感じる可能性があり、便乗値上げも考えられる。2月末~3月の日用品の買い物時は価格に注意したい。(BCN・嵯峨野 芙美)