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これからのスタンダード? eSIMのメリットとデメリットについて

時事ネタ

2021/01/02 18:00

 スマートフォンを使ううえで欠かせないSIMカード。意識せずに使っている人も多いだろう。スマホが通信を行うのに必要なチップが搭載されているカード状のものだ。このSIMカードの次世代規格がeSIM。従来のSIMカードと比べて何が異なり、どのようなメリット・デメリットがあるのか、解説したい。

スマホの通信に使われるSIMカード

そもそもSIMやeSIMとは?

 SIMは「Subscriber Identitiy Module」の略。日本語での「加入者認識モジュール」の名の通り、チップのなかに携帯電話の契約者情報やキャリア情報、電話番号などが書き込まれている。このSIMカードを通してキャリアは、そのスマホのユーザーが正しく契約している人だということを認識し、電話の送受信やインターネット通信の許可を出す。

 一方、eSIMは「embedded Subscriber Module」の略で、SIMの次世代規格。「embedded」とは「埋め込まれた」という意味で、カードの形でスマホに挿すのではなく、スマホ内に埋め込まれたSIMであることを意味する。情報が書き込まれたSIMカードを挿すのではなく、情報をスマホ内で書き換えることで通信できるようにする仕組みが特徴だ。

メリット

 従来のSIMカードの場合、通信事業者と契約して使い始めるには物理的なSIMを受け取る必要がある。すぐに使いたいときには、これは大きなデメリットだ。これに対してeSIMであれば、申し込みをWEB上で行った後、アクティベーションを行えばそれだけで使用可能になる。より迅速に乗り換えや新規契約ができるようになるわけだ。

 また、SIMカードを挿すことができるスマホでは、専用のSIMカードスロットが必要となる。これは、薄型軽量化が進むスマホにとって枷となり得る。eSIMならスロットを用意する必要がなく、スペースと重量を抑えることができる。

 さらに、海外旅行や出張で現地のプリペイドSIMを買う機会がある方もいるはずだ。物理的なSIMの場合は、日本で買っておく場合でも配送までの時間が必要。現地で買う場合も時間や手間がかかる。一方、eSIMの場合は前述のように購入から使用開始まですべてWEB上で完結する。忙しい出発準備のなかでも短時間で契約ができ、時間を節約することができるだろう。

eSIMを利用することで起こるデメリット

 物理的なSIMがないということには、メリットだけでなくデメリットも存在する。eSIMのデメリットについてもチェックしておきたい。

 前述のとおり、eSIMの場合はWEB上で手続きが完了する。ということは、eSIMの契約手続きのための通信手段が必要ということになる。すでに別のSIMやeSIMなどで通信環境が整っているなら問題ないが、そうでない新規の場合はWi-Fi環境が必要になる。いざ手続きをしようというときに困らないよう、しっかりと準備をしておきたい。

 物理的なSIMの場合、機種変更をするときにはSIMを古い端末から新しい端末に挿しなおすだけで完了する。eSIMの場合も、手続きや作業としては案内通り進めれば滞りなく完了する。古い端末からeSIMをアンインストールしたあとで、新しい端末に情報を書き込むだけだ。しかし、新しい端末に情報を書き込む際に手数料が必要となることがあるので注意したい。機種変更はそれほど頻度が高くないとはいえ、事前に確認しておこう。

 日本では、現状、大手の3キャリアをはじめ、eSIMを積極的に取り扱っているキャリアは多くない。また、すべての端末がeSIMに対応しているわけではなく、特に廉価なものでは対応していない端末も多い。使いたいと思っても、まだまだ手軽に利用できる環境ではないのが実情だ。
 
eSIMによりスマホが使いやすくなる

eSIMの普及は今後加速する

 課題が多いeSIMだが、端末の薄型化や軽量化、手間を省くため、今後は普及が加速すると考えられる。より通信事業者を手軽に乗り換えられるようになり、それを利用したサービスも出てくることだろう。世界ではどんどん普及が進んでいることもあり、日本でもeSIMが当たり前になる時代が近いのではないだろうか。(Bridge)

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