5G SA方式に対応のeSIMを国内で初めて開発、IIJから

販売戦略

2020/11/04 16:30

 インターネットイニシアティブIIJ)は、国内で初めて「5G SA(スタンドアローン)方式」に対応したeSIMを開発し、動作検証を完了した。

5G SA対応eSIMを用いた動作検証の概要

 同社は、2018年3月からフルMVNOとしてサービスを展開しており、その一環として19年7月からeSIM対応データ通信サービスを提供している。

 今回、同社はGSMA標準のeSIMに、3GPPで規格化された5G SA対応の機能を追加したeUICCプロファイルを搭載するとともに、市販の5G SA対応スマートフォンにダウンロードし、試験用の5G SA基地局、5G SAコアネットワークで動作検証を行い、通信が可能なことを確認した。

 この開発によって、同社は5Gコアネットワークを使用したフルMVNO、ローカル5Gにおいて、5G SA方式の接続サービス提供に必要となる要素技術を確立したことになる。

 5G SA方式は、4G設備に依存せず5G基地局のみで利用でき、5G NGC(次世代コア)との組み合わせによって、5G NSA方式と比較して高速通信だけでなく、低遅延・多数同時接続といった、5G本来の性能を享受することが可能なので、ローカル5Gで5G SA方式の導入が早期に進むと期待されている。
 
5G NSA方式(左)と5G SA方式の違い

 5G SA対応eSIMは、同社のフルMVNO基盤で提供するサービスや、ローカル5GのIoT/M2M用途などを想定しており、製造業の向上や流通倉庫、医療現場など今後需要が見込まれる分野におけるローカル5Gの導入を支援していく。

 今回、5Gコアネットワークに接続するeSIMの5G SA対応が完了したことから、対応機器、端末が商用化され次第、速やかに5G対応できる体制が整ったため、5G MVNO、ローカル5Gサービス、およびそれらをベースとしたIoTサービス提供などに向けて、引き続き準備を進める。また、プラスチックカード型SIMについても、今後5G SA方式への対応を推進していく。