20年10月は624件倒産、前年同月比20%減

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2020/11/20 12:30

京商工リサーチは、20年10月の全国企業倒産状況を発表した。10月度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が624件(前年同月比20.0%減)、負債総額は783億4200万円(同11.5%減)だった。

倒産件数は4カ月連続で前年を下回っている(東京商工リサーチ:月次全国企業倒産状況)

 件数は、新型コロナ感染拡大にともなう政府・自治体、金融機関の資金繰り支援策の効果で、7月以降、4カ月連続で前年同月を下回っている。4カ月連続は、19年2-5月以来17カ月ぶり。10月度では71年以降の50年間で、89年(589件)に次ぐ、2番目の低水準となる。負債総額は、3カ月連続で前年同月を下回った。10月度としては71年以降の50年間で、73年(739億700万円)に次ぐ、4番目の低水準となった。

 負債100億円以上の大型倒産が1件(前年同月ゼロ)発生したが、負債の小口化が目立つ。同10億円以上50億円未満が11件(同16件)、同5億円以上10億円未満が21件(同22件)、1億円以上5億円未満が90件(同139件)と、いずれも減少。一方で、同1億円未満は501件(前年同月603件、構成比80.2%)と、2カ月連続で80%台に乗せた。

 「新型コロナウイルス」関連倒産は、10月は104件(2月以降、累計603件)で、2月に新型コロナ関連倒産が初めて発生して以降、初めて月間100件を超えた。

 10月の産業別では、10産業のうち、9産業で前年同月を下回った。新型コロナウイルス感染拡大でインバウンドの消失、外出自粛などの影響を受けた飲食業、宿泊業を含むサービス業他が228件(前年同月比4.6%減)で最も多かったが、2カ月連続で前年同月を下回った。

 また、“巣ごもり需要”効果のあった飲食料品小売業(37→19件)などの小売業が84件(前年同月比30.5%減)で、6カ月連続で減少した。このほか、建設業105件(同13.2%減)が7カ月連続、製造業65件(同42.2%減)が6カ月連続、卸売業74件(同30.1%減)が2カ月連続、不動産業20件(同25.9%減)と情報通信業19件(同26.9%減)が3カ月ぶり、農・林・漁・鉱業7件(同30.0%減)と金融・保険業2件(同50.0%減)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。一方、運輸業は20件(同53.8%増)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。

 10月の地区別件数は、9地区のうち、7地区で前年同月を下回った。

 北海道13件(前年同月比8.3%増)と北陸17件(同21.4%増)は、それぞれ6カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、四国10件(前年同月比47.3%減)は、6カ月連続で前年同月を下回った。また、東北28件(同24.3%減)と九州48件(同12.7%減)が4カ月連続、関東225件(同17.5%減)が3カ月連続、中部84件(同15.1%減)と近畿172件(同22.5%減)、中国27件(同44.8%減)が2カ月連続で、それぞれ減少した。