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過度なMNP引き止め禁止―MNP実施ガイドライン改正案を公開、運用開始は21年4月

 楽天モバイルは、今年4月に自社で回線設備を保有するMNOとして正式サービスを開始した後に税別3000円の手数料を請求していた「SIM交換」を、10月12日申込分から無料化した。さらに11月4日、携帯キャリアの常識を覆す取り組み「ZERO宣言」を発表。SIM交換・SIM再発行手数料の無料化に続き、やはり3000円請求していた契約事務手数料と他社への携帯電話番号ポータビリティ(MNP)転出手数料を無料化する。

 総務省の「電気通信市場検証会議 競争ルールの検証に関するWG」でMNP転出手数料無料化の方向性が示されことを受け、ソフトバンクは10月28日に大容量プラン「メリハリプラン」を主力とするSoftBank(ソフトバンク)、低廉な価格を望むニーズを満たすY!mobile(ワイモバイル)とも、MNP転出手数料を来春をめどに完全撤廃すると発表済み。無料化決定はソフトバンクの方が早かったが、実施は楽天モバイルが先行する。なお、楽天モバイルのMNP転出手数料は、他社と同じ3000円。
 
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 10月27日に「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を公表した総務省は、MNPの実施に関するガイドライン(2019年5月最終改正)の改正案を11月2日に公表し、一般からの意見募集を開始した。募集期間は11月3日~12月8日。正式決定した改正ガイドラインは、2021年4月1日に運用開始予定。
 
ガイドライン改正案の主な新規の内容(新旧対照表から一部抜粋)

 ガイドライン改正案の目玉は、楽天モバイルがいち早く対応する「MNPの転出手数料無料化(オンラインは無料、対面や電話手続きは税別1000円以下)」と「MNP転出希望者への過度な引き止め禁止」。慣れないと面倒に感じる、MNPに係る利用手続の全てをワンストップで完了できる方式(いわゆる「ワンストップ方式」)についても引き続き検討するよう示している。

 過度な引き止めとは、MNPで他社に乗り換える気がないにもかかわらず、電話でMNP予約番号の発行手続きを行い、大量の引き止めポイントをもらえないか試みるという、割と知られている節約テクニック。改正案は、オンラインでのMNP予約番号発行手続き時の画面推移の改善といった細かい点にも言及し、総務省の確認を受けた特別な事情のあるMVNO以外、ガイドラインの指示にあわせ、UIを含め、大規模なシステム変更をせざるを得ないだろう。
 
オンラインでのMNP予約番号発行手続き時の画面推移の改善にも踏み込んでいる

 分かりやすいことは好ましいが、総務省の介入によって、通信事業者がこれまで戦略的に行ってきたMNP利用者・長期継続利用者へのポイント還元が減り、スマートフォン本体の買い替えの長期化につながるのではないか。ガイドライン改正案の内容は利便性の向上にプラスだが、MNP活性化につながるわけではなさそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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