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ソニー2020年3月期決算、純利益36.5%減、エレクトロニクスにコロナの影響大きく

経営戦略

2020/05/13 17:55

 ソニーは5月13日、2020年3月期決算を発表した。売上高は前期比4.7%減の8兆2600億円、純利益は前期比36.5%減の5822億円だった。今年度の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、合理的な算定が困難として発表を見送った。

ソニーの十時裕樹 専務CFO

 セグメント別売上高では、テレビやカメラなどの「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション」が前期比14.5%減、プレイステーションなどの「ゲーム&ネットワークサービス」が13.7%減と落ち込んだ。一方で、撮像素子などを販売する「イメージング&センシング・ソリューション」が27.9%増、音楽・映画などのコンテンツビジネスが一桁台ながら前年を上回り、他セクター売上高の落ち込みをカバーした。

 「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション」セグメントは、新型コロナウイルス感染症の影響が最も大きい。生産面は回復しつつあるが、世界的な販売店の閉鎖や休業の影響で店頭売り上げが大幅に減少。特にヨーロッパの影響が大きい。デジカメについては、全世界で需要が大幅に減少し売上・利益とも大きな影響を受けている。「ゲーム&ネットワークサービス」の売り上げ減は、プレーステーションプラスの増収があったものの、プレーステーション4本体の減収、ソフトウェアの減収が響いた。

 生産状況については、中国、マレーシアにある自社工場は稼働し始めているものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は依然残っている。また、各国が移動を制限しているため、エンジニアの派遣が難しく新製品の立ち上げの生産指導が困難になるという影響が出ている。

 決算説明会で十時裕樹 専務CFOは「新型コロナウイルス感染症拡大のため、営業利益680億円程度のマイナスの影響があった。影響を受けるタイミングは事業ごとに異なり、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューションがまず大きな影響を受けている」と話した。また市場縮小が続くデジカメについては「不振が長引く可能性が懸念される」とした。(BCN・道越一郎)