今年3月の発表時点では5月発売予定だったバックライト付きキーボードとトラックパッドを備えた12.9インチ/11インチiPad Pro専用Bluetoothキーボード「Magic Keyboard」は、サプライズ的に4月21日に前倒しで発売になった。カテゴリはキーボードだが、トラックパッド・保護ケース・スタンドを兼ねた1台4役となる。

「iPadのためのキーボード」としては最上位機種となるMagic Keyboard。iPadに装着すると、まるでWindows搭載ノートPCのような印象だ

3万円超えのMagic Keyboardはもはや別格

 Magic Keyboardの対応機種は2020/18年発売モデルのiPad Pro(12.9インチの第3/第4世代iPad Pro、11インチの第1/第2世代iPad Pro)で、Apple Storeでの販売価格は税別で12.9インチ用が3万7800円、11インチ用が3万1800円。

 同じApple IDでログインしたiPhone/iPad/Mac間で連携可能なクラウドサービス「iCloud」の利用を前提に、ややこしいファイル管理はなくて(見えなくて)いい。以前のiPadはそうしたミニマム志向に基づいた設計だった。しかし、「ファイル」アプリが加わり、iPadOS 13.1以降では、Bluetoothマウス・キーボードも使えるようになるなど、次第にさまざまな周辺機器とつながるパソコンライクなデバイスとなりつつある。

普通のiOS対応Bluetoothキーボードなら実はかなり安い

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、Bluetoothキーボードの販売台数は2019年6月からずっと前年を上回り、19年9月、10月はともに前年同月比120%超と2ケタ増を記録。一部企業のリモートワーク移行の影響か、直近の20年3月も前年同月比142.0%と大きく伸びている。なお、iOSが動作対象OS外でもBluetoothに対応していれば使える可能性があるため、Bluetoothキーボード全体の数値を取り上げている。
 

 Magic Keyboard発売前の4月3週(20年4月13日~19日)のiOS対応Bluetoothキーボードのシリーズ別販売台数1位は、ロジクールの「K380」、2位はエレコムの「TK-FBP102BK」だった。この2社のほかに、シリーズ別ランキングの上位に入ったバッファロー、サンワサプライの4社の製品の実勢価格はいずれも5000円以下。売れ筋のサードパーティー製キーボードと、純正キーボードはもはや別カテゴリである。
 

 Bluetoothキーボードのメーカー別平均単価を比較すると、Appleだけ桁違いで高いため、従来のSmart Keyboard Folioよりさらに高額なMagic Keyboardがヒットすると、Bluetoothキーボード全体の販売金額総額を押し上げることになりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。