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「#STAY HOME」はNO接触・NO混雑で市場の新鮮食材とシェフ特製料理を

販売戦略

2020/04/29 17:00

 新型コロナウイルスの感染対策として東京都が4月25日~5月6日のゴールデンウイーク期間中に実施している「いのちを守る STAY HOME週間」は、飲食店や食材卸業者の経営に影響を与えている。飲食業界向け加工食品・青果などの受発注システム「TANOMU(タノム)」を展開するタノムは、そんな飲食店と卸売業者、消費者をつなぐサービス「ピックマルシェ」を乗り切るための一つの知恵として提案する。

「ピックマルシェ」の「おすすめボックス」を近くの飲食店で受け取る

 ピックマルシェは、消費者が事前にネット上で注文・決済した市場の新鮮な野菜や輸入食材、シェフオリジナルのメイン料理などを詰め合わせた「おすすめボックス」を、近くのレストランの店頭で一括受け取りができるサービスだ。

 おすすめボックスは、「全店舗共通のセット(市場野菜10点、輸入食材3点)」と「受け取り店舗が用意するオリジナル商品(画像はChez Shimizuの一例)」のセットで、2、3人前、価格は税別6000円。
 
受け取り店舗が用意するオリジナル商品(画像はChez Shimizuの一例)

一方を絞れば、他方が密集する道理

 外出自粛や休業要請などの影響で行き場を失った業務用食材を、食材卸業者と飲食店がタッグを組むことで、「#STAY HOME」で家で過ごしているユーザーの時間を、充実させた時間や価値に変えるサービスといえる。タノムと司企業、ミナト商会の3社が発起人となり、飲食店をハブとして卸売業者と消費者をつなぐ。

 TANOMUのユーザーへのヒアリングによると、多くの卸売業者は売り上げが3~5割減少していると回答し、中には7割減少していると回答したユーザーもいたという。飲食店の打撃はそれ以上であることが推測される。それでも多くの卸売業者や飲食店が工夫を凝らしながらこの苦境を乗り越えようとしていることから、業界の工夫のひとつとしてピックマルシェを企画・開発したという。

 食材卸や飲食店の売り上げが激減し外食のエコシステムの崩壊が叫ばれる一方で、多くの顧客がスーパーやコンビニ、ネット通販などに流れて、スーパーの店頭やネット通販の物流センターでは逆に「密」の厳しい状況が生まれやすくなっている。一方を極端に絞ると、他方が集中する道理というわけだ。
 

 そうした中、ピックマルシェは消費者、飲食店、卸業者に次のようなメリットを提供するという。

 ユーザーは、混雑したスーパーに行かず買い物ができ、事前注文・支払いした商品を受け取るだけで外出時間を削減できる。

 飲食店は、日中の料理の提供以外の新しい売り上げを確保でき、来店時にテイクアウト販売などにつなげられる。また、レシピの配布やLINEの登録など将来の顧客獲得ができる。

 卸業者は、業務用卸であっても消費者向けの販路の獲得ができ、日々仕入れる商品の廃棄・ロスを減らせる。また、配送コストなど負担の大きい個人向け配送をせずに消費者にアプローチできる。

 初回の販売は5月2日の13~17時で、以降、5月の毎週土曜日に開催予定。受け取りエリアは、東京の中央区、世田谷区、渋谷区(追加の可能性あり)。専用サイト https://marche.tano.mu/ で注文時にクレジットカード払いとなる。

 今後も追加予定はあるが、受け取り参加店は「ALTER EGO」(千代田区)、「stesso e Magari CHIC」(中央区八丁堀)、「Chez Shimizu」(世田谷区奥沢)、「ペペロッソ」(世田谷区代沢)、「マジカメンテ」(渋谷区恵比寿)となっている。