県や都、府の境界線に近い地域に住んでいる場合、二つの都府県の店舗一覧から探す必要があるため、公式ウェブサイトの店舗情報のレイアウトデザイン・UIによっては、店舗一覧から最寄りの店が探しにくい。しかし、スマートフォン(スマホ)やPCのGPS機能を利用した「現在地の位置情報から検索」だと最寄りの店しか探せず、これから向かう目的地の近くの店が探せない。全般的に、アイコンが並んだ公式サイトの「店舗一覧」は分かりにくく、個人がまとめたページの方が分かりやすいケースも多い。

緊急事態宣言が全国に拡大 「越境」対策で

 自宅から徒歩圏内にないチェーン店でも、自家用車で1時間または電車で1時間半まで範囲を広げれば、たいてい出店している。特に車の場合、高速道路を利用すると、おおよそ片道40~70キロの範囲まで日帰りエリアだ。この事実に気づいている層は、割引クーポンや還元キャンペーン目当ての遠出を厭わない。しかし、4月7日、1都7府県、関東地方では東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県が対象に出された「緊急事態宣言」に対し、本来の趣旨に反し、対象エリア外の茨城や群馬、静岡などに出向く「越境」が一部で見られた。
 
「県民への呼びかけ」の例

 緊急事態宣言は、実際に各府県知事の名で宣言されており、メッセージが「県民への呼びかけ」。ラジオでは、他県への不要不急の外出を避け、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ごうと呼びかけている。しかし、千葉市やさいやま市から東京23区内など、居住する都府県外に通勤する人、県境の周辺に住む人にとって、この呼びかけは悩ましい。まるで、これまでの暮らし方を否定されているかのようだ。
 
都道府県別の店舗一覧の一例。
一度に表示する店舗数が少なく、複数ページにまたがっているため、一覧性がない

 冒頭で挙げた、都道府県別の店舗一覧から最寄り店舗が探しにくい問題の解決のためにも、今の47都道府県の分け方は細かすぎると指摘したい。東京圏・中京圏・関西圏・北海道・その他の5つ程度の枠組みなら、帰省や移動の自由が残っていると感じるだろう。もちろん、今は不要不急の外出は自粛するべきだが、一部の長距離通勤者、推しに会うために遠征する人々の行動範囲の実態とあまり即していないと思われる。(BCN・嵯峨野 芙美)