新型コロナの影響が直撃、2月の中国人訪日客数は約9割減

経営戦略

2020/03/19 17:15

 日本政府観光局(JNTO)が3月19日に発表した2月の訪日外国人客数(インバウンド)は前年同期比58.3%減の108万5000人となった。発生源となった中国で新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、1月末から始まった中国・春節が不発に終わり、その後、国内のクルーズ船内での感染者数が増えたことなどで訪日客の足が遠のいた。

新型コロナの影響で2月の訪日客数は58.3%減に

 中国からのインバウンドは前年の72.4万人から8.7万人(前年同月比87.9%減)に激減した。新型コロナウイルス感染症の流行で、1月27日に中国政府の通達で団体ツアーや航空券とホテルのパッケージ商品の販売が禁止。一時運休や減便による航空座席供給量の減少、クルーズの運航停止などで前年同月を大幅に下回った。東アジアの4市場(中国、韓国、台湾、香港)でみても、71.9%減となった。
 

 インバウンドの前年割れは5カ月連続。1月は1.1%減の266万1000人で、韓国からの旅行客が59.4%減と大きく落ち込んだ。日韓情勢の悪化や韓国経済の低迷から航空便の運休や減便されたことが影響した。2月に入ると中国の落ち込みが直撃。1月の92.5万人が、2月に8.7万人となり、1カ月で9割減った。

 日本政府は2月下旬にスポーツや文化イベントの自粛要請や3月から全国一律の休校を要請。WHO(世界保健機構)による欧州の「パンデミック」宣言や米国、イタリアなどでの非常事態宣言や各国の国境封鎖措置など、3月に入ってから世界的に人の移動が制限されており、さらなる悪化が予想される。