日立システムズは10月26日と27日の2日間、福島県双葉郡のナショナルトレーニングセンター「Jビレッジ」で「復興支援・企業間交流フットサル&eスポーツ大会」を開催した。同社が運営事務局を担い、12社・44人が参加。年齢や役職を問わず、フットサルやeスポーツを楽しみながら、盛んに企業間交流が行われた。

日立システムズ主催の「復興支援・企業間交流フットサル&eスポーツ大会」に参加した

 Jビレッジは、東日本大震災後に閉館していたが、2019年3月に営業を再開。サッカー場や陸上競技場などを備え、サッカー部やフットサル部、陸上部、サッカー日本代表の合宿などに使用されている。サッカー好きにとっては、“聖地”と言われる場所だ。
 
会場は2019年3月に営業を再開した「Jビレッジ」

 開会式では、始球式として日立システムズの代表取締役でありeスポーツ部の部員でもある北野昌宏社長と、プロeスポーツ選手、参加者2人が2対2で「eFootball ウイニングイレブン 2020」の試合を行い、会場を沸かせた。
 
日立システムズの北野昌宏社長が始球式を行った

 26日のスケジュールは、昼間にフットサルを行い、夜にeスポーツ大会。種目は、ウイニングイレブン(ウイイレ)をはじめ、「グランツーリスモSPORT Spec II」「ぷよぷよeスポーツ」「ストリートファイターV アーケードエディション」「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(スマブラ)」の5種。26日は予選で、27日に決勝という流れだ。
 
eスポーツ大会は5種目で実施

 どのプログラムも初心者の参加がOKだったので、記者はフットサルとスマブラ、グランツーリスモに参加した。最初のプログラムはフットサル。初心者と経験者、中には元Jリーガーも交じって試合を行った。ハイレベルなプレーに圧倒されながらも、チームメイト同士で声をかけ合い、ボールを必死に追いかけた。後半は、初心者と経験者と分かれて別々で試合を実施。経験者からルールを教えてもらいながら、和やかに汗を流すことができた。
 
全天候対応のコートでフットサルを行った

 夜は、晩餐を楽しみながらのeスポーツ大会。「酔っぱらってゲームどころじゃなくなるかも」などと心配していた参加者もいたが、いざ試合が始まると真剣に観戦し、泥酔するような人はいなかった。今回実施する種目が、参加者たちにとって懐かしいラインアップだったことや、リアルスポーツさながらの実況・解説がついたことが功を奏したのかもしれない。
 
試合を肴にお酒を嗜む参加者

 特にウイイレは、「10年ぶり」「20年ぶり」という話が飛び交い、懐かしみながらプレーしていた。10年前や20年前よりも進化したグラフィックスやリアリティに驚いた参加者も多く、これを機に購入を検討している人もいた。
 
「20年ぶり」などと予防線を張りながらウイイレの試合に臨む参加者ら

 グランツーリスモは、実際の自動車の座席を再現したハンドルコントローラでタイムアタックを実施。記者が挑んでみたら、映像の高精細さや再現度の高さに見入ってしまった。未プレーの人を見つけると、思わず誘ってしまうほど刺激的な体験だ。既にプレーした人同士で体験談を語り合い、交流を深める場面もちらほら見られた。
 
記者もグランツーリスモに夢中になってしまった

 スマブラも初心者歓迎だったので参加してみると、普段からプレーしている参加者には歯が立たず、惨敗。それでも、上手いプレイヤー同士の高レベルな戦いは見ごたえがあり、人だかりができるほど観戦者が集まっていた。

 この流れは他の競技も同様で、ハイレベルな試合や珍しいプレー、好プレーには大きな反響がある。大人たちが集まってゲームを楽しむ姿は、記者が子ども時代に友だちの家に集まってゲームをプレーする姿と重なった。
 
レベルの高い試合や楽しそうな試合には自然と人が集まってきた

 二日目は、eスポーツ大会の決勝戦。観客となった昨晩の選手たちが固唾を飲んで見守る中、各種目の頂点を決める戦いが繰り広げられた。

 最後のプログラムは、サッカー日本代表も踏んだJビレッジの天然芝でのサッカー。全てのプログラムが終了し、「フットサル&eスポーツ大会」は盛況のうちに幕を閉じた。
 
スポンサー看板で記念撮影

 同イベントには、三笠製作所のeスポーツ実業団チーム「KYANOS SC」に所属するParika(青山和矢)選手、かつぴーや(井上克洋)選手も参加しており、エキシビジョンマッチとしてウイイレの優勝者と対戦したり、フットサルやサッカーに参加したりしていた。
 
かつぴーや選手(左)とParika選手(右)

 Parika選手は、「ウイイレはリアルスポーツともコラボレーションしやすいので、こうしたイベントに参加してみたかった。eスポーツを知らない人の入り口として、適していると思う」と語った。かつぴーや選手は、「こうしたイベントを通して、ゲームやeスポーツに対する認識を変え、認知度を向上させていきたい」と述べた。

 同じく、イベントに参加したUiPathのパートナーソリューション本部パートナーソリューション第一部コンサルタントである畠山宏樹氏は、「思わず夢中になってしまった。大人が集まってゲームを楽しんで、大いに盛り上がっている様子を見ると、コミュニケーションツールとしても活用できそうだと感じる。プロの極めた技も見ごたえがあった」と、ゲームに新たな可能性を見出していた。
 
参加者の顔は終始明るかった

 復興支援・企業間交流フットサル&eスポーツ大会は、宿泊ありでの二日に渡るイベントだったが、内容が濃厚であっという間に時間が過ぎていった。食事がおいしく、宿泊する部屋が快適と至れり尽くせりだったことも大きな要因だろう。日常の中では難しいが、こうしたイベントを通じれば、他企業と年齢や役職を越えて交流することができる。
 
天然芝でのサッカーも実施した

 eスポーツは、極めた技で競い合う選手を観客が楽しむといったスタイルだけでなく、ゆるく参加しながら観客としても楽しむ、といった活用の方法もある。「起業対抗戦」などの刺激的なイベントだけでなく、多くの人が参加しやすい“ゆるい”大会をもっと開催してもいいかもしれない。参加者を募るなどの苦労は生まれるが、企業間交流のツールとして活用できそうだ。(BCN・南雲 亮平)