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最強の都道府県は? 国体初のeスポーツ大会、全国対抗戦が大盛り上がり

時事ネタ

2019/10/07 17:00

 「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」の決勝大会が、10月6日に茨城県・つくばで開催された。同イベントは、いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会に関連するイベント「文化プログラム」の一環で、「eFootball ウイニングイレブン 2020」「グランツーリスモSPORT」「ぷよぷよeスポーツ」の日本一を決める大会。前日には、決勝大会進出をかけた代表決定戦が行われていた。

10月6日に幕を閉じた国体初のeスポーツ大会
「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」

 大会は、日本eスポーツ連合(JeSU)、いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会実行委員会、日本サッカー協会の3団体が協力して開催した。2019年3月から全国各地で実施された予選大会の参加者総数は約1万5000人。この激戦を勝ち抜いた全国47都道府県の代表が、記念すべき第一回“国体eスポーツ大会”の決勝に上がった。本戦では、約600人の選手が会場に集まった。
 
決勝大会への進出をかけた予選と決勝大会を開催した
茨城県・つくばの「筑波国際会議場」

 グランツーリスモの決勝には、レーシングカートの経験者や自動車関連会社に勤めている選手らが参加。12人の順位が激しく入れ替わる激しいレースを制して優勝したのは、少年の部が愛知県、一般の部が栃木県。運転免許を持つことができない人が車の運転に興味を持つきっかけになるだけでなく、実際の運転でなかなか実践できない大胆なドライビングテクニックで会場が沸いていた。
 
選手は全員ハンドルコントローラーで試合に臨んでいた

 ぷよぷよの一般の部決勝戦は、大阪「マッキー」選手と神奈川「ぴぽにあ」選手の戦い。10連鎖以上の大型攻撃ではなく、5、6連鎖で反撃し合いながら一進一退の攻防を繰り広げた。接戦の末、優勝したのはマッキー選手。お互い、涙を流しながら握手を交わした。小学生の部では、ピンチに陥っても冷静な姿勢を崩さない「こいし♪」選手が優勝した。
 
連鎖の応酬でめまぐるしく戦況の変わるぷよぷよ

 ウイニングイレブンは、3対3の「コープモード」と呼ばれる形式で実施。少年の部は、青森県と長崎県が決勝で戦い、青森県が3対2で勝利した。オープンの部は、茨城県代表同士(第一・第二)の決勝戦。どちらが勝っても茨城県の優勝という展開になった。試合前、開催地でもある同県の大井川和彦県知事が登壇し、「記念すべき第一回大会なので、どちらも頑張ってほしい」と選手にエールを送った。
 
元サッカー日本代表の北澤豪さんが解説として参加していた

 この茨城県同士の決勝戦は、稀に見る白熱した試合だった。両チームは予選で一度戦っており、その時は第一が勝利していた。試合直前、第二はリベンジを宣言。第二の勢いに注目かと思いきや、前半は第一による一方的な試合で、後半に入っても10分で3対0とリードを広げていた。しかし、第二も黙っておらず、後半15分で初得点。その勢いで後半30分までに2点、3点と連続でゴールを決めて、同点になった。

 目が離せない状況が続く中、後半38分に第一がペナルティーエリア内でファウルを取られ、第二のPKになった。観客が息をのんで見守る中、見事にゴールを決めて4対3で第二が逆転した。その後、第一は幾度となくチャンスをつくり出したものの、第二のディフェンスに阻まれる。6分にも及ぶロスタイムの末、第一の完璧なパス回しから放たれた最後のシュートがポールに弾かれ、茨城県第二代表が勝利をつかんだ。
 
記者も涙した大逆転劇を繰り広げた茨城第二代表のPK

 今大会には、全国規模の大会ならではの面白いシステムが導入されている。各チーム、選手の成績は所属する都道府県の得点になるシステムだ。県代表が参加した予選大会と決勝大会の2日間にわたる戦いから、三つのタイトルごとの最優秀都道府県を決めることで、「都道府県対抗」の大会だということを強調した。
 
ウイイレでワンツーフィニッシュを飾った茨城県が初代日本王者を手にした

 見事、47都道府県で最も優秀なeスポーツプレーヤーが集まっている県は茨城県だった。閉会式で大井川知事は、「どの試合も大変素晴らしいものだった。今大会を開くためには、多くの方々の理解と協力が欠かせなかった。選手、観客の皆様、運営、そして協力してくださった方々に、深く感謝申し上げたい」と述べた。開催地が優勝という熱い展開に選手だけでなく会場も沸き、大盛況のうちに国体初のeスポーツ大会は幕を閉じた。
 
今回の大会を熱く振り返る大井川知事

 今後について、大井川知事は「今回は国体eスポーツの第一回として、日本におけるeスポーツ普及促進の一つの起爆剤になったと思う。次回以降の国体などにも、この盛り上がりを引き継いでいきたい」と展望を語った。次回の国体は鹿児島県で開催される「燃ゆる感動 かごしま国体」。eスポーツ大会を開くかどうかは明らかではないが、「問い合わせはある」(大井川知事)という。全国対抗の大会は独特の盛り上がりを見せたので、次回も楽しみにしたい。(BCN・南雲 亮平)

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