2016年9月、FeliCaと防水に初めて対応した「iPhone 7/7 Plus」が発売になり、iPhone/iPad/Apple Watchで、JR東日本の交通系電子マネー「Suica」などが使えるウォレットサービス「Apple Pay」が日本で開始、それから3年が経った。今年10月1日、JR東日本は、「モバイルSuica」の鉄道利用と、10月1日以降に使用開始となる「モバイルSuica定期券」では、購入金額の2%相当をポイント還元するサービスを開始する。

 ポイント還元の対象は、JR東日本のSuica導入済み在来線のみだが、カード型Suicaは、ポイント還元率が0.5%に下がり、定期券・磁気定期券はポイント還元なし。つまり、カード型Suicaユーザーは今すぐモバイルSuicaに切り替えた方が得だ。
 
10月1日以降、JREポイントがたまるサービスは4つに増える

 すでにモバイルSuica/カード型Suicaを使っているものの、面倒でJR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」が貯まるようにウェブ上で設定していない人も、10月1日以降、初めてJR東日本の路線に乗車する前に事前準備を済ませよう。はしたポイントなど要らぬ、と割り切れるならそのままでも構わないが、例えば、湘南新宿ラインなら乗り換えなし・乗車時間約1時間の新宿-茅ヶ崎間(片道1166円)は往復で46ポイント(46円相当)たまるので、ひと手間を惜しまないことを強くおすすめしたい。
 
 

スマホにはFeliCa必須 非対応なら買い替えよう

 まずは、FeliCa搭載スマートフォン(スマホ)を手に入れよう。手持ちの機種がFeliCa非対応の場合、楽天モバイルの「AQUOS sense2 SH-M08」(通話SIMで税別9780円)、ワイモバイルの製品名に「X」の入ったAndroid Oneあたりが安くて2台持ちにおすすめだ。

 なお、「AQUOS sense2」はドコモもauも取り扱っている。また、FeliCa搭載Apple Watch series 2以降を併用するなら、安価な「iPhone 6s」でも問題なく、ピッと手首をかざして改札を通れるので最もスマートだ。
 
モバイルSuica/モバイルSuica定期券だけ使いたいなら、安価なiPhone 6sと、
税別1万9800円からに値下がったApple Watch series 3の組み合わせも可だ

 今回のポイント還元開始をきっかけに、個人的に、首都圏のSuicaエリア内では、FeliCa非搭載の格安のSIMフリースマホの売れ行きが鈍る可能性が高いとみている。なぜなら、メインのスマホにFeliCaがない場合、2台持ちしなければならず、私鉄沿線在住でも、頻繁にJR東日本の路線に乗るなら、カード型の交通系電子マネー「PASMO」より、2%還元のモバイルSuicaで決済した方がおおむね得すると考えられるからだ。しかも、モバイルSuica定期券のポイント還元は、他社線利用分を含むという大盤振る舞い。沿線価値を高める狙いもありそうだ。
 
今後さらに、JRE POINTが貯まるサービスが増える予定

完了まで2ステップ 面倒でも投げ出さずにトライを

 次にSuicaを登録し、JREポイントがたまるように設定しよう。定期券はSuicaカードを取り込んでもいいが、取り込み完了すると一切カードに情報を戻せないので、最初からオンライン発行したほうが手っ取り早い。

 詳しい手順は公式サイト(https://www.jrepoint.jp/point/guide/85/)を見ていただきたいが、正直、かなり面倒だ。経験上、登録がややこしかったウェブサービスのワースト上位に入る。登録上の注意点として、JREポイントとSuicaの登録情報が一致しないと登録できず、ユーザーID一つにつき、モバイルSuicaは一つしか登録できない。入れ替えは可で、カード型Suicaならば最大20件まで登録できる。
 
JRE POINT WEBサイトの登録情報管理画面(PC版)

 モバイルSuicaのAndroid版アプリは、必須のクレジットカード登録でJR東日本のクレジットカード「Viewカード」を登録した場合を除き、年間費が発生するが(20年2月26日以降は無料化予定)、Google PayアプリからSuicaを発行すれば年会費はかからない。また、20年春にはAndroid向けサービスのみ楽天ペイ・楽天スーパーポイントと連携予定なので、今後の新サービスにも注目だ。
 
モバイルSuicaはGoogle Payからも利用できる

JREポイントは、利用店舗がやや少ない共通ポイントサービス

 最後にJREポイントのメリットを紹介しよう。JREポイントは、何といってもポイント交換先に「Suicaにチャージ」を選べば、ためたポイントで電車に乗れること。奮発しないと買えないSuicaグリーン券にも交換可能だ。商品交換アイテムには、限定Suicaのペンギングッズや鉄道グッズもある(19年10月1日から交換ポイント数を変更するため、現在は商品交換付を停止)。アトレ、シァル、ラスカ、ペリエといったブランドで各地に展開するJR東日本の駅ビルなど(JRE POINT加盟店)で現金代わりに使うこともでき、リアル店舗で使いやすいポイントだ。

 他の共通ポイントサービスも同様だが、ポイントを活用する行動「ポイ活」は、家計のやりくりそのもの。収支がマイナスにならない限り、「ポイ活」はやって損はない。(BCN・嵯峨野 芙美)