北米シェア2位のロボット掃除機メーカー、ネイトロボティクスが、約2年ぶりに日本市場で動き出そうとしている。米本社のマット・ピーターセン チーフエグゼクティブオフィサーは、「日本のロボット掃除機市場は北米に次ぐ大きさ。先進的な製品に対する関心も高く、重要視している」と、日本市場に期待する。どのような強みで戦っていくのか。日本法人の代表取締役を兼任するピーターセン氏にネイトロボティクスの強みを聞いた。

北米シェア2位のロボット掃除機メーカーネイトロボティクスで日本法人の代表取締役を兼任する
マット・ピーターセン チーフエグゼクティブオフィサー

 「当社には、技術革新や品質を追求する姿勢、進化させていく向上心が根付いている」と、同社の根底にある考え方を語るピーターセン氏。こうした精神は、隅々まで掃除することができるDの形をした本体デザイン(Dシェイプ)や、障害物を避けながら効率的に掃除するためのレーザースマートナビゲーションなど、新技術を積極的に開発・採用してきた実績にあらわれている。

 常に新しいものを求める姿勢は、製品の機能にもあらわれている。同社のロボット掃除機はネットにつながる強みを生かし、本体のシステムをアップデートすることができる。アップデートの基になるデータは、製品が掃除する過程で蓄積した経験。課題を集約して解決することで、掃除をすればするほど賢く掃除するようになる。

 ピーターセン氏は、「最新の機能を積極的に取り入れ、更新を続けていることから、決して価格は安くない。それでも、北米2位のシェアが示す通り、価格に見合った性能であることは間違いない」と、自社の製品に自信を持つ。背景には、同社がいち早く導入した機能を他社も後から導入している実態がある。
 
「最先端の便利を追い求める姿勢は設立当時から変わらない」と語る
ピーターセン氏

 例えば、ミドルレンジ以上のロボット掃除機なら当たり前になっているスマートフォン(スマホ)連携。最初に取り入れたのは、ネイトロボティクスだ。スマートスピーカーとの連携で音声コントロールを実現したのも同社が最初だった。さらに、大手ロボット掃除機メーカーのiRobot(アイロボット)が海外で発売した新製品は、本体がDの形になっている。「後を追われるということは、当社の発想や選択が間違っていない証拠」と、ピーターセン氏は冷静だ。
 
他社の技術的な追随は「間違っていない証拠」と余裕をうかがわせる
ピーターセン氏

 他社の動向に目を向けつつ、「今後も新しい技術や機能を求めていく」と、初心を忘れず、ユーザーにとって便利な新機能を模索する姿勢は崩さない。「ロボット掃除機は、一度使い始めたら1か月程度で手放せない存在になる。今まで掃除に使っていた時間を、人生を豊かにする時間に変えたい前向きなユーザーを支えていきたい」(ピーターセン氏)。(BCN・南雲 亮平)

※このインタビュー記事は、2019年7月30日の来日時に取材したものです。