消費増税まであと1カ月を切り、各業界で駆け込み需要や増税後の需要平準化を意識した取り組みが加速している。8月は、クレジットカード大手のJCBやメガバンクのみずほ銀行までがキャッシュレス決済による20%還元キャンペーンに参入して話題を呼んだが、9月も1週目からさまざまなトピックがあった。各社9月1~7日で話題になったキャッシュレスニュースを振り返る。

ヒートテックが1枚無料 ユニクロ×PayPayのキャンペーン

 食品スーパーマーケットを対象とした最大10%還元キャンペーンを9月1日から開催しているPayPay。同サービスは、9月2日に公共料金の請求書からバーコードを読み取って支払う「PayPay請求書払い」の提供を開始した。開始当初に対応するのは、東京ガス/東京電力/東京都水道局/広島ガス/中国電力/九州電力の請求書(払込票)。9月30日に、現在「Yahoo!マネー」で支払える約300の地方公共団体や事業者の公共料金などの請求書に対応する予定だ。
 

 また、早くも10月のキャンペーンについても告知。一つ目は、先月からPayPayに対応したユニクロとのコラボレーションだ。PayPayのサービス開始1周年を記念したもので、ユニクロ店頭で「PayPay」を利用してヒートテックインナーを購入すると、もう1枚が無料になる。期間は10月4~22日。
 

 二つ目は、15周年を迎える人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」とのコラボキャンペーン。秋葉原で開催する「モンスターハンター15周年展」や周辺の対象店舗でPayPayを利用すると、限定オリジナルカードがもらえる。500円ごとに1枚、1度の決済で最大3枚までもらえる。期間は10月18日から11月12日まで。
 

Suicaの鉄道利用でポイントがたまる! 増税後は最大5%還元

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は、JR東日本の在来線に乗車すると、1回ごとに利用金額の最大2%の「JRE POINT」がたまるポイントサービスを2019年10月1日に開始する。
 

 JRE POINTは、「JRE CARD」などのJR東日本発行のクレジットカード、交通系電子マネーのSuica、ECモール「JRE MALL」を利用するとたまる共通ポイント。Suicaの場合、これまでJRE POINT加盟店での買い物時しかポイントが付与されなかったが、10月以降、新たにJR東日本の鉄道利用でもたまるようになる。さらに、21年春以降、鉄道利用でたまる範囲を拡大する予定。

 ポイント還元率は、モバイルSuicaが2%、カードタイプのSuicaが0.5%。例えば、カードタイプのSuicaはわずかにポイントがたまるが、従来のカードタイプのSuica 定期券、磁気定期券は鉄道利用でポイントはたまらない。

 JR東日本では、10月1日から20年6月30日まで、決済手段・実施店舗によってアップするポイント還元率が変わり、クレジットカードや現金でチャージした登録済みSuicaでNewDaysなどの対象店舗で決済すると、最大5%還元となる「キャッシュレスで JRE POINT 還元キャンペーン」も実施する。

複数のスマホ決済に一挙対応

 大手チェーンストアではだいぶ浸透してきたスマートフォン(スマホ)決済。新たに対応する店舗は、一挙に複数のサービスに対応するケースも少なくない。持ち帰り弁当の「ほっかほっか亭」は9月2日に、9社(PayPay/au PAY/楽天ペイ/メルペイ/LINE Pay/d払い/Origami Pay/Alipay/WeChat Pay)のスマホ決済サービス対応を発表した。
 

 また、カー用品専門店を運営するオートバックスグループは9月5日、565店舗で5社(PayPay/d払い/LINE Pay/楽天ペイ/Alipay)のサービス導入を発表。増税前の駆け込みなどを見据えて、まだまだ小売業のスマホ決済対応の流れは続くとみられる。
 

マイナンバーカードがお得の対象に 共通ポイント制度を検討中

 行政主導の取り組みでも大きな動きがあった。まず、総務省が発表したマイナンバーカードを活用したポイント制度「マイナポイント」だ。マイナンバーカード取得者に付与する全国共通ポイントで、専用のID(マイキーID)を設定し、ポイントを一定額購入した際に、プレミアムとしてマイナポイントを上乗せするというもの。具体的には、“○○ペイ”などの民間キャッシュレス決済手段で利用者が前払いした分に、プレミアムを追加で付与する。

 ポイントを使う場所については、各地域の商店やオンラインショップを候補にあげている。ポイントの購入条件や購入対象者、おまけの割合、ポイントの利用環境、使い道、有効期限など、具体的な内容は現在検討中で、決まり次第、順次知らせていくとしている。
 

 経済産業省による補助金制度「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」も実施に向けて、調整が大詰めを迎えている。一般消費者に向けて、8月30日に対象となるキャッシュレス決済手段や対象店舗を公表した。
 

 ただ、同省が公表した対象店舗の一覧は3608ページにも及ぶPDFファイルに登録済みの全国約18万店が並ぶというもので、検索性の悪さに不満の声があがっていた。これにすばやく対応したのが、家計簿アプリを展開するZaim。9月4日に「1日」で開発したという検索サービス「キャッシュレス還元マップ」を発表。対象店舗を地図や自治体名、キーワードなどを検索できる特設ページで、同社の家計簿アプリから期間限定で閲覧することができる。
 

 ポイント還元事業を巡っては、PayPayが還元事業で還元される5%に加えて自社で5%を付与する最大10%還元のキャンペーン「まちかどペイペイ」を発表するなど、独自の施策も発表されてきている。開始までに各社がどのような差別化を打ち出すのか、注目したい。(BCN・大蔵 大輔)