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シャープのプラズマクラスターイオンで「水虫菌の抑制効果」を実証

経営戦略

2019/07/22 18:30

 シャープは7月22日、同社の白物製品の基幹デバイスとして採用しているプラズマクラスター技術が、国内で感染する水虫菌の約90%を占める2種類のはくせん菌に対して抑制効果があることと、菌の「胞子」に加えて「菌糸」に対しても抑制効果を発揮すると発表した。カビ研究の専門家である千葉大学真菌医学研究センター矢口貴志准教授の監修の下のカビ試験で実証した。

第10世代のプラズマクラスターイオン発生ユニット

 カビ試験の方法は、プラズマクラスターイオン(PCI)発生素子を内寸285×275×485mmのアクリル製容器内の上面約12センチに取り付けて、供試菌の胞子懸濁液を培地上に撒いたものに、約20万~90万個/cm3のプラズマクラスターイオン濃度を照射するというもの。

 2種類のはくせん菌(トリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテス)では、PCIを24時間照射した後、3~4日培養して生育したコロニー数をカウントしたところ、コロニー数は検出されず、99.9%以上の抑制効果があることを実証した。
 
2種釣りのはくせん菌に対する効果試験

 同じように胞子と菌糸の効果試験でも、PCI照射なしのときは胞子が発芽したり著しい菌糸の伸長がみられたが、PCI照射を行った胞子の発芽が見られなかったり、菌糸の伸長が抑制されていることを実証した。

 水虫は日本人の5人に1人が感染しているという報告もあり、脱衣所のバスマットなどから多く感染し、高齢になるにつれて感染者数が増加傾向にある。また、近年ではパンプスやブーツなどを長時間履く若い女性の感染者も増加しつつある。水虫対策に有効な製品の開発などへの応用が期待される。