駅で語りかけてくる「真珠の耳飾りの女」の正体とは

経営戦略

2018/11/22 15:35

 芸術の秋ということで、この3連休に美術館に行く予定を組んでいる人も多いだろう。東京・上野の森美術館では「日本美術史上で最大」という触れ込みで2019年2月3日まで「フェルメール展」を開催中だ。オランダ絵画を代表する巨匠フェルメールは、「牛乳を注ぐ女」や「真珠の耳飾りの女」などで有名だ。

 一方で、首都圏のJRの駅などでは「まだ足で稼ぐの?」「あら、朝イチで北海道?」などと、「真珠の耳飾りの女」が語りかけるサイネージ広告を見かける。実はこれ、働き方改革関連のソフトウェアを企画・開発・販売するインターコムが展開中の広告で、「フェルメール展」とは直接関係ない。
 
「真珠の耳飾りの女」が語りかけてくるインターコムのサイネージ広告

「オンライン商談」という新領域が急成長

 フェルメール展の開催タイミングとあまりに絶妙なので狙ったのかと思いきや、担当者は「まったくの偶然だった」と語る。サイネージ広告は、首都圏や周辺の19駅で18年10月29日~12月2日までの5週間にわたり展開。企画意図については「名画にしゃべらせることで、40~50代のビジネスパーソンに向けて、今までにないインパクトを打ち出したかった」と語る。

 訴求するソフトウェアは「リモートオペレーター セールス」で、営業先の会社を訪問しなくても、オンライン上で商談できるサービスだ。相手先にWEBカメラなどのハードを必要とするWEB会議システムとは異なり、専用プログラムをダウンロードする必要がない。接続番号でブラウザーにアクセスするだけで手軽に使える。

 政府が推進する「働き方改革」の後押しもあって、この「オンライン商談」という新しいビジネス領域が急成長している。「リモートオペレーター セールス」は今年5月にリリースしたばかりだが、1ID当たり月額1万円で最低利用期間は3カ月、初期費なしという導入コストの安さもあり「引き合いが強い」とのこと。
 
「働き方改革」で注目が集まるオンライン商談

 営業はリアルな場で会って商談するケースが多いが、そこには多くのムダが潜んでいる。相手先とのアポ取りからはじまり、地方に出張するなら物理的な移動時間がかかる。相手先が来社する場合も、会議室を予約するなど、社内調整の手間がかかる。商談が終わってからも、提案で使った紙ベースの資料を「後ほどメールで送って共有させていただきます」というのは、よくあるシーンだろう。

 オンライン商談なら相手先の隙間時間を使った商談が可能だし、PCやタブレット端末の画面で提案資料を見ながらプレゼンを行い、その場でダウンロードすることもできる。商談の履歴やステータスも保存される。インターコムでは、訪問営業の移動にかかる交通費や人件費などのコストがトータルで57%カットできると試算する。

 リモートオペレーター セールスは、総務省後援の「ASPIC IoTAIクラウドアワード 2018」の「ASP・SaaS部門 支援業務系分野」で、「ASPIC会長賞」を受賞するなど、早くも高い評価を得ている。また、インターコムは、全国の主要家電量販店ネットショップPOSデータを集計した「BCNランキング」の年間販売本数でトップをたたえる「BCN AWARD」の通信ソフト部門で、18年連続のシェアNo.1を獲得している。

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