ここ数年、ケーズホールディングスは郊外の空白エリアに3000平方メートル以上の大型店を出店する戦略をとってきた。例えば、2014年10月にオープンしたケーズデンキ柏中央店は、売場面積約7600平方メートルを誇る巨大な店舗。競合のヤマダ電機やビックカメラグループであるコジマの店舗を上回る大型店を出店することで、品揃えで地域一番店を目指していた。ところが、最近の同社の出店傾向を見ると、ある変化が読み取れる。


 店舗数は、18年3月期に496店舗で、19年3月期にスクラップ&ビルドのトータルで5店舗増の501店舗を目指している。グループ全体の売場面積は、前期の184万9000平方メートルから今期に186万7000平方メートル(前期比1%増)を目標として増床し続けている。だが、1店舗当たりの売場面積の推移をみると、16年3月期の3702平方メートルからほぼ横ばいが続く。前期の3728平方メートルから今期は3727平方メートルに、若干ではあるが前年を下回る見込みだ。

 以前は、柏中央店のように巨大な土地があればいつでも出店する構えを見せていたが、売場面積が横ばいの理由に、最適な条件の土地がなかなか出てこないのと、家電製品そのものの変化がある。平本忠社長は、「テレビは薄型化が進み、冷蔵庫も幅が目いっぱいで、壁面の断熱材などを薄くして庫内を大容量化している。売り場スペースを広くしなくても商品が置けるようになった」と語る。
 
1店当たりの売場面積が横ばいになっているケーズデンキ(写真は水戸本店)

 4Kテレビは大画面化が進んでいるものの、ベゼルが細くなっていることで、過去の42型のテレビと同じ幅で50型のテレビが十分に置けるようになっている。冷蔵庫も、マンションで幅が60cmや70cmなどと限られていることから、壁面を囲む真空断熱材を高気密に薄くするなどして庫内を大容量化するといった工夫を施している。

 また、平本社長は「競合も家電製品の売り場を縮小しているので、さらに広くする必要がなくなってきた」と、住宅やリフォーム事業に力を注ぐヤマダ電機が業態転換を進める中で従来の家電売場を縮小していることを示唆している。

 ケーズデンキの出店は、いきなり飛び地に新規出店するのではなく、既存店舗と商圏が一部重なるような地続きで出店するのが特徴だ。今後も、そうした形で都市部周辺の住宅が集中しているエリアに出店していく姿勢を変えないが、売場面積はやみくもに広げるのではなく、3700平方メートル前後を維持する形の、ケーズらしい“頑張らない”出店が増えそうだ。(BCN・細田 立圭志)