LINE Payは7月30日、モバイル決済サービス「LINE Pay」に関する報道関係者向けのセミナーを開催し、普及拡大施策を説明した。QR/バーコードで決済した場合の加盟店手数料を無料とするキャンペーンを2021年7月まで実施するほか、レジ横に設置する専用決済端末を新たに開発し、今年中に利用受付を開始する。年内にLINE Payが利用可能な場所を100万か所まで増やす計画。

LINE Payが開発中の決済端末(モックアップ)。金額に応じたQRコードが表示される

 長福久弘COOは、「日本の中小事業者が、なぜキャッシュレス(非現金)化できなかったのか。一番の問題はコスト。この問題を解決しない限り、日本のキャッシュレスは進まない」と述べ、導入時の初期費用と、決済手数料の存在が、キャッシュレス決済導入を阻害してきたと説明。同社では、店舗オーナーのスマートフォンにインストールするだけでLINE Payを導入できる「店舗用アプリ」を6月から無償で提供しているほか、21年7月31日まで3年間の時限施策として、QR/バーコードで決済した場合、決済手数料を0%(通常は売上高の3.45%)とし、これまでクレジットカードや電子マネーの導入に二の足を踏んでいた小規模店舗を加盟店として取り込んでいく方針を強調した。
 
店舗オーナーのスマートフォンで決済する際のイメージ。レジ改修が不要で初期コストはゼロ

 ただし、オーナーのスマートフォンを決済端末として使用する形態は、個人経営の店舗で導入しやすい一方、複数の従業員がレジで会計業務を行う店舗では使いにくい。この問題を解決するため、主に従業員2~5人程度の店舗を想定した、専用の決済端末を現在開発中であることを新たに発表した。

 専用決済端末は、金額入力用のテンキーと、QRコード表示用のディスプレイを搭載し、3Gデータ通信にも対応する。「他社も含めて決済サービスが盛り上がるなか、100万店獲得という大きな目標に向けて、もう一手の新たな戦略を打っていきたい。専用端末を導入すれば、QRコードを印刷して店頭に張り出す必要もなく、管理が簡単になる。端末が届き次第、QRコードによる決済ができる」(長福COO)という。
 
LINE Payの長福久弘取締役COO

 端末の価格や、データ通信用のSIMカードの提供形態については現段階で検討中としている。また、端末にはNFC機能も内蔵されているが、提供開始時点でLINE PayのQRコード決済のみに対応。他の決済サービスに対応したマルチ決済端末として利用可能かどうかは、現時点で未定。年内に加盟店からの利用申し込みを受付開始し、端末の製造が完了し次第、各店舗に発送する。
 
ハードウェアとしては端の決済サービスに対応できる可能性があるが、詳細は未定
 
アプリ、印刷QRコード、専用端末など、店舗の規模に応じて複数の導入形態を用意

 また、長福COOは「6月に店舗向けアプリを発表した際には、(初期費用・決済手数料の)“ゼロ・ゼロ”がフォーカスされたが、加えて注目していただきたいのはメッセージング機能」と述べ、LINE Payが決済を契機に顧客との関係を強化できる「決済コミュニケーション」サービスであると強調。顧客がLINE Payで支払うと、店舗アカウントとの「友だち登録」を促す使用となっているため、決済完了後も顧客と継続的にコミュニケーションを行うことができ、販売促進に活用できるとしている。

 また、将来的なサービスの発展性として、店舗の会員カードやクーポンを簡単に発行できる機能なども視野に入れ、さらに広範な店舗業務の課題解決や、経営改善の仕組みを提供していく予定。積極的なポイント付与や手数料の無料化など、相次ぐキャンペーンの投入で現在は「赤字を掘っている」(長福COO)状態だが、決済サービス単体ではなく、LINEグループ全体のサービスと相乗効果を生むことで、事業を拡大していくとした。