歴代iPhone最大の画面サイズや、10万円を超える価格、ノッチ(切り欠き)のあるデザインなどで賛否両論が巻き起こった「iPhone X」は失敗か成功か、もし失敗だというならAppleは次にどんな手で巻き返しを図るのか――。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」の2018年4月までのデータから前年との違いがわかる3つのグラフを作成してみた。iPhoneファンは、次期iPhoneの予想の参考にしてほしい。

現行ラインアップの一番人気はiPhone 8 機種変更やMNPでの特価が後押し

 春の新生活需要と販売店の期末セールが重なる3月は、年間で最も携帯電話が売れる月だ。今年もiPhoneシリーズは人気を集め、前年を上回る販売台数を記録。スマートフォン全体に占めるシェアも前年の53.2%から59.3%にアップした。
 

 新たに顔認証「Face ID」に対応し、広角と望遠のデュアルカメラを搭載する「iPhone X」をはじめ、現行ラインアップは8機種。そのうち、「iPhone 8」が57.6%、「iPhone 8 Plus」が12.0%を占め、「iPhone X」は11.4%にとどまった。

 1年前の17年3月は、一番多く売れた「iPhone 7」が68.8%、2番手の「iPhone 7 Plus」が11.2%、3番手の「iPhone 5s」が10.8%だったので、デュアルカメラを搭載したハイエンドモデルの比率は高まったが、新機種8割、旧機種2割という構成比は変わっていない。
 

 昨年の「iPhone 7/7 Plus」は3月21日、「iPhone 8/8 Plus」は4月13日に、「(PRODUCT) RED Special Edition」が加わり、カラーバリエーションが増えた。店内ポスターやWebサイトなどでも新色「レッド」が前面に押し出され、店頭は賑やかになっている。
 
4月に登場した「iPhone 8」の新色レッド。
3月発売なら、もっとiPhoneのシェアは上がっていた?

 とはいえ、「iPhone 8」の18年4月までの累計販売台数は、同期間の「iPhone 7」の実績を下回っている。「iPhone X」に流れているためだが、歴代iPhone累計販売台数1位の「iPhone 6」超えは、今回も難しそうだ。
 

 「iPhone X」は、売れ行きこそ「iPhone 8」の後塵を拝しているものの、狙い通り、ハイエンドモデルの比率拡大に貢献し、「次」につながる大きな一歩になったといえそうだ。真の評価は、新モデル発表後、在庫処分のための安売りが始まった時、どれほど販売が伸びるかによって決まるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。