中国のネットサービス企業・美団点評(Meituan Dianping)は、自転車シェア最大手のモバイク(摩拝単車、Mobike)を買収することを発表した。4月4日に短文投稿サイト「微博」で明らかにした。美団点評はモバイクの全株式を取得するが、モバイクのブランドは残し、独立したサービスとして運営を継続する。

モバイクの買収を伝える美団の微博アカウント
モバイクの買収を伝える美団の微博アカウント

 モバイクは2016年に上海で自転車シェアリングサービスを開始。中国の主要都市に拡大したほか、シンガポールや欧州、日本の一部地域(札幌、大磯、奈良、福岡)などにも進出しており、世界で700万台以上の自転車を投入して事業を行っている。

 今回モバイクを買収する美団点評は、中国ネット大手の1社で、店舗の口コミ投稿、フードデリバリー、チケット予約などのサービスを提供している。商品の共同購入サービスなどを運営する「美団網」と、口コミ投稿サイトの「大衆点評」が15年に合併してできた企業で、米調査会社CBインサイトは企業価値を300億ドルと評価している。CBインサイトによる未上場ベンチャーの企業価値ランキングでは世界第4位(1位はウーバー、2位は滴滴出行、3位はシャオミ)。

 美団点評には中国ネット企業最大手のテンセント(騰訊)およびアリババグループが出資していたが、美団点評は昨年テンセントが中心となる企業集団から40億ドルの資金調達を行っており、現在はテンセント系の企業とみられている。テンセントはモバイクにも多く出資しており、今回の買収劇で傘下サービスの系列化が進む格好となり、テンセントの手がけるチャットアプリ「WeChat」や決済サービスなどとの連携強化に動く可能性もある。

 一方のアリババは7月から今年にかけて、モバイクに次ぐ自転車シェア大手・ofo(北京拝克洛克科技)による大型の資金調達に応じているほか、この4月2日には、フードデリバリー市場で美団点評の最大のライバルとなっているEle.me(餓了麼)を完全買収することを発表していた。テンセントとアリババはモバイル決済の「WeChat Pay」と「Alipay」で直接競合しているが、傘下企業を通じた他のサービス分野における競争も一層熾烈なものになりつつある。