コインチェックは2月13日、仮想通貨「NEM(ネム)」流出事件で金融庁から受けていた業務改善命令に関して、顧客への対応や再発防止策などまとめた報告書を同庁に提出した。同日夜、同社が入居する東京・渋谷のビル内で報道陣に対応した大塚雄介取締役COOは、日本円の出金対応を再開したことを明らかにしたが、仮想通貨の引き出しやサービス再開の時期についてはコメントを避けた。

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コインチェックの大塚雄介取締役COO

 大塚COOは「事業継続の意思がある」と話し、同社としては破産・清算に向かうという認識はなく、セキュリティや経営管理態勢を強化した後にサービスを再開する意向を強調。事件の発生以降、大半のサービスや手続きを停止していたが、13日に日本円の出金を再開し、11日15時までに行われた出金申請に対しては、出金先口座への振り込み処理を全件完了したという。13日の出金額は総額約401億円。

 しかし、同社の顧客が保有する仮想通貨の引き出し再開や、流出したNEMの補償に関しては「報告書の内容や、金融庁とのやりとりについてはお答えできない」(大塚COO)と述べ、今後の具体的な対応については言及を避けた。同社ではNEM保有者には流出分を日本円で返金する方針を1月28日に示しており、この日も大塚COOは「(補償の)資金はすでににある」と力を込めたが、時期的な目処を問われると「正式な形で決まってからご報告する」とだけ答え、見通しは示さなかった。
 
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同社が入居するビルのロビーで対応する大塚COO

 コインチェックでは、小売店の店頭やECサイト向けに、ビットコイン決済を簡単に導入できるサービス「Coincheck Payment」を提供していたが、1月27日以降サービスが中断し、導入店舗では決済が行えない状態が続いている。中断前に決済が完了した売上げ分は、2月13日の出金再開で日本円による引き出しが可能になった模様だが、現状の詳細やサービス再開時期に関しては「広報担当者が不在」(コインチェック関係者)のため、この日は回答を得ることができなかった。(BCN・日高 彰)