さて、3Qは、開始1分弱でIBMが細かいゲインで、最後にRBの末吉智一がTDして追い上げ、点差が15点に縮まる。「IBMは前回とは違う」。そんな雰囲気が、後半早々にIBMスタンドに漂う。ところが、その数分後、ゴール前の短いパスがWRの強に通り、再びリードを22点差に広げられる。IBMは苦しい展開、富士通は短いパスで、じりじりと時間をかせぐ。ところで、アメリカンフットボールは、スポーツでももっともIT利活用が進んでいる競技だ。両社の人工知能(AI)はどう動いているのか。この日、AIは動いていないだろうが、「スポッター」という競技場上部でフォーメーションの情勢を監督に常時伝える担当者の力量も問われる。そうこうしているうちに、3Q終了3分前に富士通が細かいランで得点を重ねた。3Q終了時点で、49対23の富士通リードで終盤をむかえた。
 

チャンピオンに輝き、喜びをあらわにする富士通フロンティアーズ

 4Qは、開始2分もたたずに富士通のQBキャメロンが自ら持ち込みTDで、さらに差を広げた。このあとは、富士通の一方的なゲーム展開になった。IBMの応援席からは、帰宅の途につく人が増える。それでも、ギャンブルプレー満載のゲームだったが、両チームの全力投球は変わらない。だが、冒頭にも前述したが、最終的には、63対23で富士通が圧倒した。

 勝利インタビューで藤田智ヘッドコーチは、「このゲームまでに特別な準備はしていない。今年も苦しかったので、まさかここまでくるとは思わなかった」と、リーグを含め戦績を振り返った。また、MVPになったWR中村輝晃クラークは、「シーズンを通してオフェンスがうまくいかないことも多かったが、今日は富士通のオフェンスを出せた。(ライスボウルは母校日大との対戦で)いろんな思いがあるのでうれしいし、とにかく頑張る」と、嬉しさを身体であらわした。

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