PCは購入後にユーザーからの問い合わせが発生しやすい商材だ。かつては、PCの販売増にともなって増加した問い合わせ数に対し、十分なサポート体制が整っていなかったという日本エイサー。しかし、この5年間でサポートメニューの強化と品質の大幅な改善を行い、「国産PCメーカーと並ぶほどのサポート体制を整えることができた」と胸を張る。カスタマーサービス部の松岡國峰部長に、サポート改善のため行ってきた取り組みを聞いた。

5年間で大きく改善、販売増に追いつくサポート

 日本エイサーは2012年頃にPCの販売台数を大きく伸ばした。一方でユーザーの増加に伴い、問い合わせや修理依頼の件数も増えていた。当時は、不意に増えた問い合わせに対処するためのサポート体制が十分には整っておらず、修理日数の長期化や電話がつながらないなどの問題が発生。ユーザーからの評判も芳しくはなかった。
 
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Swift 7 SF713-51-F58U/F(左)とSpin 7 SP714-51-F78U/F

 松岡部長は当時の状況を「お預かりした修理品のうち、約30 ~ 40%で必要な修理用パーツがリペアセンターにないという状況が発生していた。このため預かり日数が長引き、修理完了がいつになるのかという問い合わせが殺到するなど、コールセンターは電話がつながりにくい状況に陥った。操作方法や設定などで悩んでいるお客様の電話を受けることができず、サポート窓口は役割を十分に果たせていたとは言い難かった」と振り返る。
 
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日本エイサー カスタマーサービス部 部長 松岡國峰 氏
photo by Hiroshi Nakata

 しかし、5年経った現在は「パーツ欠品率は5%ほどに改善し、預かり日数も半分程度まで短縮できた。サービス内容も拡大したことで、国産PCメーカー並みのサポートを実現している」と話す。欠品率改善の決め手となったのは、蓄積したデータからパーツごとの需要を分析し、必要在庫の予測精度を向上させたこと。さらに、複数拠点に分散していたリペアセンターを集約し、修理作業の効率も高めた。

 下の表「修理納期の変化」を見れば、5年前との差は明らかだ。12年の修理品の平均預かり期間が14.7日だったのに対して、17年現在では7.8日(見込み)と、ユーザーの手元にパソコンがない期間を半分程度に短縮できた。
 
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■ACER STORE  http://www2.acer.co.jp/support/acer-store/index.html
■パソコン出張サポート http://www.j-pcs.info/acer/
■データ復旧安心サービス http://data119.jp/acer/introduce.html
■有償テクニカルサポート https://www.acer-support.jp/paidcall/

受け皿であるマンパワーを増強、サポートの種類と品質を強化

 修理対応の改善とあわせて、より多くの問い合わせを受け付けることができるようにコールセンターの人員を増強した。松岡部長は「コールセンターは、メーカーが唯一お客様の声を直接受け取れる場なので、大切にしている」と話し、応対品質向上の重要性を強調。日本市場からの問い合わせには、全員日本人スタッフで構成する国内のコールセンターが対応している。オペレーターのスキルを磨くため月1回のテストを実施するのに加え、応対コンテストを毎年開催し、スタッフのモチベーション向上や、サポートノウハウの共有にも積極的に取り組んでいる。「問題解決件数だけでなく、お困りごとを抱えるユーザーに親身になって寄り添う姿勢も、スタッフの評価項目としている」(松岡部長)という。

 また、ユーザーからの意見を反映して、各種サービスの拡充にも力を入れている。出張サポートサービスや多くのメーカーではサポート外となるユーザーデータの復旧サービス(ともに有償)を提供するほか、電話やメール以外に、チャットによる問い合わせを可能にするなど、サポート品質と並行して利便性も向上させている。将来的には、延長保証サービスの店頭販売も検討しているという。

 松岡部長は「サポート体制でも国産PCメーカーと足並みを揃えられるところまできた」と話し、サポートへの不安でエイサー製品が選択肢から外れることのないよう、引き続き品質向上に取り組むことにしている。
 
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