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<KeyPerson>ジュピターショップチャンネル篠原社長 課題は若い女性の誘導

インタビュー

2016/11/25 18:00

 創業以来の増収を継続するジュピターショップチャンネルだが、国内の人口減とテレビ視聴世帯数の頭打ちは、明確なマイナス要因として懸念する。「通販業界には売り上げ1000億円の壁がある」と語る篠原淳史社長が示す新規顧客獲得のための一手は?

取材・文/大蔵 大輔 写真/大星 直輝

・前半<緻密なクロスメディア戦略>から読む

――新規の顧客開拓も進めていますね。

篠原 ジュピターショップチャンネルのメイン顧客は、50~60代の主婦です。年齢層が高いので、放っておくと数はどんどん減ってしまう。そこで、次の人口動態のボリュームゾーンである40代女性の認知を高めるべく、さまざまな対策を講じています。

 ただ40代の方は、お客様として向き合ったときに商品に対して厳しい目をもっていらっしゃるので一番難しい。一気にドラスティックに、とはいかないので地道にアピールしていくしかないと思っています。
 

新規顧客獲得には地道な努力が求められると語る篠原淳史社長

――東京ガールズコレクションとタイアップした取り組みも話題になりました。こちらはより若い層に向けたアプローチですか?

篠原 そうです。お母様と一緒に番組を見ている30代の女性をターゲットにしました。ただ、テレビがメインの導線だったので、なかなか苦戦しました。ネットの導線を強化するために、生配信を行ったり、ネット限定商品を用意したり、まずはコンテンツを整えているのが現状です。

 また、3月にはKDDIが5%の株式を取得して株主になりました。au会員との接点をどう組み立てていくのか、今後、重要な顧客拡大戦略になってくるでしょう。

――地域に焦点を当てた「日本を見つけよう」という特集にも力を入れていますが、狙いは顧客の拡大ですか?

篠原 いえ、こちらは商品力アップが狙いです。これだけ情報が氾濫していても、現地で初めて知る商品は多いものです。開始当初は「地方創生」という言葉もありませんでしたが、震災があり、復興支援という意味合いも出てきました。

 ショップチャンネルのなかでも一番思いが強い番組の一つかもしれません。お客様からの期待も高く、通常は番組がスタートして右肩上がりに注文が増えていくのですが、「日本を見つけよう」は、開始直後に注文が殺到し、あっという間に売り切れてしまう。派手な商品はないのですが、本当に価値がある商品が揃っています。

・<海外戦略はなぜタイ? グローバル展開で売上拡大>に続く