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<STORE STRATEGY・店長のこだわり>ビックカメラ あべのキューズモール店 年商目標は40億円

インタビュー

2016/06/24 18:00

 5月19日にオープンした「ビックカメラ あべのキューズモール店」は、「なんば」と「梅田」に次ぐ大阪の第三の商圏を押さえるために出店した。年商目標は40億。約2500m2という売場面積からすると、かなり意欲的な数字だ。石川智一店長は、開店の数か月前から現地入りし、店づくりに向けた準備を始めたという。


ビックカメラ あべのキューズモール店」の石川智一店長

目指すのは家電と書籍のシナジー

 現地調査のなかで、石川店長を悩ませたのは、ビックカメラ単体では前例がない“モール内店舗”という特性だ。「あべのキューズモールの客層は幅広い。昼間は主婦や高齢者、夕方以降はサラリーマンというように全方位にアプローチできるが、明確に家電購入を目的に訪れるユーザーは少ない」。直面した問題の解決策として石川店長が打ち出したのが「家電と書籍の併売」だ。
 

スマホと関連書籍を並置した売り場

 「これまでもビックカメラでは書籍を取り扱っていたが、売り場は書籍コーナーだけだった。今回は、各コーナーに家電と関連づけて書籍を配置。ジャンルも従来とは一線を画す」(石川店長)。本部の指示ではなく、石川店長自らの提案である目玉施策には、二つの狙いが込められている。「一つは、書籍をコミュニケーションの手段にして、お客様それぞれに最適な商品をご案内すること。二つ目は、普段は関心のないジャンルの書籍を手に取っていただくこと。家電を売るビックカメラだからこその『出会い』を提供したい」。
 

石川店長の「書籍への想い」を記したカード

この“予期せぬ出会いの創出”こそ、キューズモール店の客層を取り込むための秘策だ。家電購入を目的にしていなくても「ビックカメラに行けば、新しい発見がある」と、気軽に立ち寄ってもらう。書籍なら子どもから高齢者まで、あらゆる世代がターゲットになりうる。「売り場ごとに書籍の担当者がいる」というこだわりようで「接客の方法も変えていかなければ」と、書籍も売っている家電量販店ではなく、「家電と書籍のシナジーを生み出す店舗」を目指す。

ユーザーを囲い込むための多彩な戦略

大阪環状線の最南部にあたる天王寺。ユーザー調査のために、オープン前に公式アプリの事前登録を実施したところ、環状線の内側に住むユーザーは少なかったという。「ほとんどの登録が天王寺以南のユーザーからだった。もともと『なんば店』からの商圏拡大が狙いだったが、予想以上に棲み分けができているようだ」と石川店長は語る。

もう一点、ビックカメラとして初の試みになるのは、一回の買い物で、ビックポイントとキューズモールのポイントの両方が貯まる「ポイント制度」。テナントが入る3階は子連れの主婦層が多く、ダブルでポイントが貯まるお得感を打ち出すことで、リピーター需要を喚起したい考えだ。

1km圏内に位置するグループ店の「コジマNEWあべの店」「ソフマップ天王寺」とは、得意領域を分けるることで、相互補完を模索する。「ビックカメラで買い物したレシートにソフマップのクーポンをつけるといった施策を検討している」(石川店長)。コジマが積極的に店舗で開催している、ミニ四駆イベントのような集客手段にも可能性を見出す。「家電を売る」ことだけに捉われないという石川店長の考えが、新しいカタチの地域密着型店舗をどう育てるか、今後が楽しみだ。(BCN・大蔵 大輔)

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