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減収も粗利益率は28.5%、ヤマダ電機16年3月期決算は「量から質」に転換

経営戦略

2016/05/11 14:24

 ヤマダ電機は5月9日、2016年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年比96.9%の約1兆6127億4000万円と減収になった一方、昨年6月から7月の60店舗の大規模な店舗閉鎖による自社競合の解消と店舗効率の向上により、営業利益は292%の約581億6000万円、経常利益は176.5%の627億3000万円といずれも大幅に伸びた。当期純利益は325.4%の約304億円だった。


ヤマダ電機の2016年3月期連結決算

 商品別では、冷蔵庫洗濯機など白物家電は好調だったが、PCやデジタルカメラなどの情報家電が全般的に伸び悩んだ。営業面では、商品構成の見直しや「モノ(商品)提案からコト(サービスなど)提案の強化」などの取り組みで、販管費の削減にも成功した。 

 粗利益率は15年3月期の26.3%から、16年3月期は28.5%と2.2ポイントの大幅な改善をみせた。一方の販管費率は25.1%から24.9%へ、0.2ポイント圧縮している。この点が減収ながらも大幅な増益につながった「量から質への転換」を示している。 

 17年3月期の見通しは、夏のリオデジャネイロオリンピックなどで市場が盛り上がり、景気の緩やかな回復基調が続くと予想。売上高を111.3%の1兆6330億円、営業利益を122.8%の714億円、経常利益を127.5%の800億円、当期純利益を139.8%の425億円と見込んだ。(BCN・廣瀬 秀平)