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「2台持ち」がトレンド! 家電量販店スタッフに聞く「掃除機」事情

特集

2012/02/10 12:32

 「共働きで平日は掃除する時間がない」「一人暮らしで掃除するのが面倒」――。そんな人には、自動で部屋を掃除してくれる「ロボット掃除機」がある。ロボット掃除機は、吸引力などの性能が向上し、さまざまなモデルが登場してきたことから購入者が増え、いま、家電量販店の売れ筋商品の一つになっている。

人気を集めるロボット掃除機

 ビックカメラ新宿西口店家電コーナーの矢野有美専門相談員は、「ロボット掃除機に関して多い質問は、『ちゃんと掃除できるのか』ということ。そんなお客さまに、実際に動かして説明すると、ほとんどが購入につながる」という。

 新宿西口店では、掃除機コーナーに5m程度の廊下に見立てた専用のデモコーナーを用意し、ロボット掃除機が実際にゴミを吸い取る様子を見せている。ロボット掃除機の性能がひと目でわかるデモコーナーと、機種によって異なる機能を説明する接客で、「前年に比べ、ロボット掃除機の売れ行きは大幅に伸びている」という。

デモコーナーで実際にお掃除(ビックカメラ新宿西口店)

 一方、昨年12月オープンした上新電機港北インター店でも、ロボット掃除機に関心を示すお客さまが多い。港北インター店は、小学校高学年以上の子どもがいて、共働きの家庭が主要客層。ロボット掃除機については、売り場スペースを大きく確保してアピールしているという。

広い売り場でロボット掃除機をアピール(上新電機港北インター店)

 ロボット掃除機の先駆けとなったのは、セールス・オンデマンドが販売する米アイロボットの「ルンバ」だ。昨年10月発売の「700」シリーズは、部屋の形状や広さ、汚れ具合い、家具などの障害物・段差など、使用環境に応じて40以上の行動パターンから最適な動作や速さを選択する高速応答プロセス「iAdapt」を搭載。かき込みながら吸引する新機能「エアロバキュ」など、3ステップのクリーニングシステムで強力に集塵する。ハイグレードモデル「780」とスタンダードモデル「770」には二つのセンサを搭載し、綿などの微細なホコリの集塵力を高めている。

「ルンバ 700」シリーズ

 家電量販店は、「ルンバ」購入の決め手になっている機能として、「スケジュール設定」を挙げる。「1週間分の清掃スケジュールを、曜日単位や1日1回、15分刻みなど細かく設定でき、自動で自分好みに掃除できるところが好評だ」(ビックカメラ新宿西口店の矢野専門相談員)という。

 「ルンバ」の競合製品として昨年10月に発売されたのが、東芝ホームアプライアンスのスマートロボットクリーナー「Smarbo(スマーボ) VC-RB100」。家電量販店によれば、室内の障害物を避けて、壁への衝突や段差からの落下を防止するセンシング機能や、赤外線信号で本体の動きを制御するバーチャルガードで、本体を近づけたくない場所に「仮想フェンス」を設けられる点が、日本の住宅事情に適しているという。

Smarbo VC-RB100

 日本人は、基本的にきれい好き。毎日きちんと掃除をする家庭は多いし、電気掃除機を持っていない家庭を見つけるのは難しい。実際に、家電量販店では、ロボット掃除機を購入するとき、「週末には自分で掃除したい」と一般の掃除機や縦型コードレス掃除機などを同時に購入するお客さまが多くなりつつあるという。一般掃除機+ロボット掃除機の「2台持ち」が、トレンドになっている。(BCN・佐相彰彦)