「iPod」や「ニンテンドーDS」を音楽やゲームだけで終わらせてないだろうか? 普段使い慣れているデジタル機器を使えば、簡単に楽しく勉強を始められる。子どもが勉強しないでゲームばかりして困っている、机に座ると勉強する気がなくなる! という人向けの、ゲーム感覚で、そして空き時間にさっと学べるモバイル学習術をまとめた。

●教育現場にも導入している学習ツール

 国内累計販売台数2000万台を突破した、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」(DS)シリーズ。ダブルスクリーン搭載でタッチペンで操作するという新しい操作感が、大人から子どもまで幅広く受け入れられている。かたや携帯オーディオ市場で爆発的な人気を誇るアップルの「iPod」シリーズ。管理ソフト「iTunes」との連携で、音楽だけではない携帯オーディオの楽しみ方を自分でカスタマイズできる。どちらもゲームや音楽といった娯楽性の強い製品だが、実は教育現場でも活用されているのだ。

 京都府八幡市の市立男山東中学校では、英語の授業にDSを導入したところ、語彙力がなんと平均4割も向上したという結果が出た。私立ノートルダム学院小学校では、英語検定と漢字検定向けの学習補助教材としてDSとソフトを正式に採用。iPodも大学や予備校などで、通信教育や語学学習のツールとして導入されている。大阪女学院大学・大阪女学院短期大学では、新入生に対して、英語学習用コンテンツをインストールしたiPodを配布。京都市立紫野高等学校では、英語の教科書や参考書の付属するCDデータをもとに、iPod用のオリジナル教材を制作している。

 また、アップルは07年5月から「iTunes Store」内に、米国の大学から提供される教育課程の講義や語学授業などのコンテンツを無料で配信する「iTunes U」を開設した。これにより、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学などで実際に行われている講義やスピーチを、生徒でなくても誰でも無料で試聴できるようになった。実際に留学した気分で講義を体験できるので、留学を考えていたり、英語で専門知識を学びたいという人に是非オススメしたい。

 このように、広く教育の現場で使用されている学習方法を個人でも利用しない手はない。普段から使い慣れているデジタル機器なら、勉強が苦手な人でも簡単に、そして楽しみながら学習できるのがメリットだ。



●無料で英会話講座が聞き放題! 【iPod編】

 iPodを使った英語学習でもっとも手軽なのは、教科書や学習参考書に付属するCDをiPodに転送する方法だ。音楽CDと同様にiPodにデータを転送するだけで、面倒だったCDの入れ替えが不要になるばかりか、大きなコンポでの再生も必要なくなる。

 そして、iPodユーザーに是非オススメしたいのが「Podcast(ポッドキャスト)」だ。ポッドキャストとは、インターネットを利用して無料で配信する、いわば「ネットラジオ」。「iTunes Store」には、英語だけでなく、韓国語や中国語など多数の語学講座がある。多くの番組が平均して3分ぐらいのエピソードを毎日配信しているので、毎日違った内容を空いた時間にさっと聴くことができる。



 ポッドキャストは音声データだけでなく、ビデオ再生対応のiPodに対応したビデオ・ポッドキャスト(無料)もある。一度登録すれば、番組が更新されるたびに自動で蓄積する機能もあるので、毎度ダウンロードする必要はない。

 日常会話だけを学びたい人は、本当に使える英語だけをピックアップしシチュレーションに沿った英語が学べる「使える英語/The Useful Phrases in English」、ビジネス英語を身に付けたい人には、アメリカで放送する実際のニュースを配信する「CNNニュース」などがある。どちらも実践的なリスニング学習に最適だ。そのほか大学受験向けやTOEIC学習用など、豊富なラインアップがあるので、自分の実力と用途に合った番組を選ぼう。

 また、iPodで英語を学ぶためのPCソフトもある。インターチャネル・ホロンの「iPodでどこでも英会話」は、英語の聞き取り問題をiPodに転送して学習する。液晶画面には問題のテキストが表示され、穴埋め問題やリスニング学習ができる。



●聞いて、書いて、発音するからレベルアップ! 【ニンテンドーDS編】

 ニンテンドーDS(DS)の特徴はやはりタッチペンを利用して直接文字が書き込めること。語学を学習する際に非常に効果的といわれる「ディクテーション(外国語で読み上げられた文章や言葉を書き取る)学習」に利用できるのだ。

 プラトの「えいご漬け」シリーズは、単語や例文のネイティブ発音を聞き、その綴りを画面にタッチペンで書いていく。音声は何度でも聞き直せるので、正解するまで繰り返し書き込んでおぼえていく。さらに、DSの音声認識機能を使って、発音の練習もでき、自分の発音をネイティブスピーカーの発音と比べることができる。


 


 ゲーム機ならではの、楽しみながら英語を学べるソフトは、英語が苦手という人にはうってつけ。ディンプルの「英語を食べる不思議な生き物 Marsh」は、英語を食べるキャラクター「Marsh」と英語でコミュニケーションをとりながらストーリーを進めていくので、普段の生活のなかに英会話を取り込むことができる。キャラクターの成長とともに自分の英語力も上達する仕組みだ。

 また、DSのソフトは「英検」や「TOEIC」などの受験対策に特化したソフトも豊富で、資格取得を目指して効率よく学習するのにおすすめだ。学研の「新TOEICテスト 完全攻略」は、目標点数に応じて問題のレベルを選択できるので、実力に合わせた学習が可能。実践的な模擬試験も数多く収録するので、常に自分の実力が把握できる。



●まだまだある! 手軽に使えるモバイル学習術

 「携帯電話」やソニーの携帯ゲーム機「PSP」を使った学習方法もある。

 携帯電話向けアプリは、センター試験用やTOIEC用などの単語学習に特化したコンテンツが豊富。「ECCケータイレッスン」や「英語の達人」は、選択問題や穴埋め問題など、操作が簡単な問題が多いのでテンポよく学習できる。月額300円からダウンロードできるので、小口投資で安心して始められる。

 PSPは専用ソフト「TALKMAN式 しゃべリンガル英会話」などを利用する以外でも、PCと連携した学習が可能。ソニーの「e-English Gymポータブル」は、実践的なビジネス英語を動画で学ぶことができ、海外ドラマを観るよう感覚で英語を学べる。また、UMDビデオや録画したテレビ番組をPSPで視聴することもできるので、映画やテレビ番組を利用した英語学習には最適なツールだ。

 無理に新しいデジタル機器を購入しなくても、いま持ってる機器で十分に英語は勉強できる。どれも楽しさ、使いやすさを重視してできている。軽い気持ちで始めてみよう。(フリーライター 山崎信潔)