スマホ決済市場、2020年には約3兆円規模 ICT総研が調査

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2019/07/02 19:00

 調査会社のICT総研が発表した「2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」によると、2018年度に約1.1兆円だったモバイル電子マネー・QR/バーコード決済額は、20年度に2.9兆円規模に成長するという。スマートフォン(スマホ)決済サービスの普及や消費税増税に伴う「キャッシュレス・消費者還元事業」が成長を後押しすると、同社は予測している。

電子マネーやコード決済を含むスマホ決済市場は20年に約3兆円規模に成長する見通し
(ICT総研調べ)

 18年のカードタイプを含めた電子マネー決済額は約6兆円。このうち、楽天EdyやSuica、iDといったモバイル電子マネーは0.9兆円だった。19年度に1.1兆円、20年度に1.4兆円へと拡大する見通しだ。PayPayやLINE Payなどのコード決済額は、19年に0.7兆円、20年度に1.5兆円へと急拡大するという。

 同社が19年6月に実施したアンケートによると、最もよく利用されている電子マネーは楽天Edyで、電子マネー利用者(695人)のうち43.7%が利用していると回答。次いで多かったのはモバイルSuica(38.4%)で、iD(30.9%)が続いた。また、電子マネーのシステムとして利用率が高かったのは、おサイフケータイ(39%)だった。
 
よく利用される電子マネーは楽天Edy
(ICT総研調べ)

 コード決済利用者(1660人)を対象にした、よく利用するスマホのQRコード決済サービスに関する質問では、LINE Pay(40.4%)の利用率が最も高く、ほぼ同率でPayPay(40.3%)が続いた。次いで、3位が楽天ペイ(31.7%)、4位がd払い(16.1%)だった。
 
最もよく利用されているQRコード決済サービスはLINE Payだが、PayPayとは0.1ポイント差
(ICT総研調べ)

 利用者が急増したのは、LINE PayやPayPayは大型のキャンペーンを展開したことが大きい。楽天ペイは、楽天カードを支払い元に設定したユーザーに対して5%還元のキャンペーンを実施し、安定的にユーザーを増やしている。7月からは、新たに7payやファミペイなどコンビニエンスストアブランドのサービスも加わった。今後も、激しい競争が続きそうだ。