2023.12.23 15:00
かしこく暮らす伊勢海老にアオリイカ! 絶品海鮮ディナーと“赤の絶景”を楽しむ漁師町のクリスマス
【拝啓、徳島より・16】四国の小さな港町にも冬がやってきました。華やかなツリーやイルミネーションはないけれど、海の町ならではの絶景とご馳走が寒い季節に彩を添えてくれます。都会とはちょっと違うクリスマスシーズンの風景をご紹介します。
クリスマスディナーにもやっぱり素材感強めの漁師料理
大浜海岸はウミガメの産卵地としても有名で、夏の間、町は多くの人で賑わいますが、冬はすっかり巣篭もり状態。町内は人よりも猫の方が多いのではないかと思うほど静まり返ります。
「あわえ」と呼ばれる細い路地や、漁師町らしい古い建物が並ぶ通りに立って耳を澄ませると、遠く、寄せては返す波の音が聞こえてくるようです。
ウミガメの産卵地としても有名な大浜海岸
そんな小さな町での暮らしの中で、私が冬になると楽しみにしている景色が二つあります。
一つは、風になびく「刺し網」の風景。徳島南部の太平洋沿いでは、秋から冬にかけて伊勢海老漁のシーズンとなります。海沿いには漁で使う真っ赤な刺し網が並び、そよそよと風に舞う様子はまるでレースのカーテンのようです。
風に揺れる「刺し網」
青い海と空、緑の山々をバックに、真っ赤な網がよく映えます。ウィンターシーズンにしか見られない漁師町ならではの光景です。時たま漁師さんが網の手入れをしている場面に出くわすことも。海の男の手捌きを、惚れ惚れしながら眺めるのも冬の散歩の楽しみの一つです。
海の男はかっこいい
もう一つ、この時期ならではの絶景として楽しみにしているのが「だるま朝日」。実は、私も5年間でまだ一度しか見ることができていない“奇跡の絶景”なんです。
いくつかの気象条件が揃った早朝、真っ赤な朝焼けの太陽が水平線と繋がって達磨のような形に見えることからその名がついたもので、地元では幸運の象徴とも言われています。
特に初日の出にだるま朝日が見られたら、その年は「大吉」なんだとか。1年に一度の運試し、ぜひチャレンジしてみたいですね。
ちなみに、私がだるま朝日を見たのは、たまたま手ぶらで散歩をしている時だったので、次回はしっかりカメラを持って絶景を撮影しに行きたいと思っています。
12月の朝の海。いつみても絶景
メインディッシュはもちろん伊勢海老。ビジュアル的にもパーティーにぴったりですね。甲羅が硬いので捌くのに少しコツが入りますが、やっぱりとれたて新鮮なお刺身ほど美味しいものはありません。
贅沢すぎる伊勢海老のお造り
頭は少し残った身と共に鍋に放り込んで味噌汁にします。じっくり煮込んで出汁をとって、味噌を入れたら完成です。味噌は少量がおすすめ。伊勢海老の出汁とエビミソが合わさって、涙が出るほど美味しいスープになります。
豪華すぎる伊勢海老の味噌汁
お造りも味噌汁も伊勢海老料理の定番ですが、私がこの町に移住して一番たまげたのが「伊勢海老のエビフライ」。もうびっくりするほどの美味しさでした。
アジフライかと思うほど縦にも横にも大きい伊勢海老フライは見た目のインパクトも抜群。美味しすぎて写真を撮るのを忘れるてしまったのが悔やまれます。
衣の中には、はちきれんばかりに身が詰まっていて、サクッと一口頬張ると、口の中で一気に伊勢海老が弾け飛びました。これぞ幸せ。
適度な弾力があり、プリプリというよりかはフカフカ。食べ応えがとにかくすごい。一口噛むごとにじわっとしたエビの甘さで口がいっぱい。「あぁ、もうこのまま飲み込みたくない」と本気で思いました。
最初見た時は「伊勢海老をフライにするなんてもったいない!」と思いましたが、すぐに撤回。高級食材をこんなにも贅沢に使える漁師町の豊かさに全力で感謝しました。
伊勢海老はお腹から包丁を入れると捌きやすい
もう一つ、徳島の冬の味覚として欠かせないのがアオリイカ。身は柔らかく、舌の上でとろけていくような優しい食感は一度食べたらやみつきです。わさび醤油とのハーモニーもたまりません。
お刺身はもちろん美味しいのですが、私のおすすめはアオリイいかの唐揚げ。徳島名物のスダチを絞ってから、塩をつけていただきます。唐揚げ一つで、何杯だって焼酎がすすみます。
アオリイカは刺身も天ぷらも美味しい!
波の音をBGMに、絶品海鮮料理を頬張りながら過ごす港町の冬。たくさんの笑い声に包まれた手作りの宴は、クリスマスに限らず、毎回、夜遅くまで笑い声で溢れています。
パーティーの余韻を引きずりながら家に帰る途中、見上げると頭上は満点の星空。思わず「なんでもない日、万歳!」と独り言を呟いてしまう、そんな夜がいくつもありました。
町の人からしたら“当たり前”の日常に、いちいち感動できるのはよそから移り住んだ移住者の特権かもしれません。(フリーライター・甲斐イアン)
■Profile
甲斐イアン
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
写真ギャラリー
漁師町の真っ赤な絶景
徳島市内から車で1時間半。海と山に囲まれた小さな港町である美波町は、太平洋を望む風光明媚な漁師町です。大浜海岸はウミガメの産卵地としても有名で、夏の間、町は多くの人で賑わいますが、冬はすっかり巣篭もり状態。町内は人よりも猫の方が多いのではないかと思うほど静まり返ります。
「あわえ」と呼ばれる細い路地や、漁師町らしい古い建物が並ぶ通りに立って耳を澄ませると、遠く、寄せては返す波の音が聞こえてくるようです。
そんな小さな町での暮らしの中で、私が冬になると楽しみにしている景色が二つあります。
一つは、風になびく「刺し網」の風景。徳島南部の太平洋沿いでは、秋から冬にかけて伊勢海老漁のシーズンとなります。海沿いには漁で使う真っ赤な刺し網が並び、そよそよと風に舞う様子はまるでレースのカーテンのようです。
青い海と空、緑の山々をバックに、真っ赤な網がよく映えます。ウィンターシーズンにしか見られない漁師町ならではの光景です。時たま漁師さんが網の手入れをしている場面に出くわすことも。海の男の手捌きを、惚れ惚れしながら眺めるのも冬の散歩の楽しみの一つです。
もう一つ、この時期ならではの絶景として楽しみにしているのが「だるま朝日」。実は、私も5年間でまだ一度しか見ることができていない“奇跡の絶景”なんです。
いくつかの気象条件が揃った早朝、真っ赤な朝焼けの太陽が水平線と繋がって達磨のような形に見えることからその名がついたもので、地元では幸運の象徴とも言われています。
特に初日の出にだるま朝日が見られたら、その年は「大吉」なんだとか。1年に一度の運試し、ぜひチャレンジしてみたいですね。
ちなみに、私がだるま朝日を見たのは、たまたま手ぶらで散歩をしている時だったので、次回はしっかりカメラを持って絶景を撮影しに行きたいと思っています。
宴会の主役は伊勢海老で決まり!
クリスマスパーティーの定番料理といえば、ローストチキンやローストビーフを思い浮かべる方が多いと思いますが、ここ四国の右下では違います。地の利を活かして、クリスマスディナーにもやっぱり素材感強めの漁師料理がずらりと並ぶのです。メインディッシュはもちろん伊勢海老。ビジュアル的にもパーティーにぴったりですね。甲羅が硬いので捌くのに少しコツが入りますが、やっぱりとれたて新鮮なお刺身ほど美味しいものはありません。
頭は少し残った身と共に鍋に放り込んで味噌汁にします。じっくり煮込んで出汁をとって、味噌を入れたら完成です。味噌は少量がおすすめ。伊勢海老の出汁とエビミソが合わさって、涙が出るほど美味しいスープになります。
お造りも味噌汁も伊勢海老料理の定番ですが、私がこの町に移住して一番たまげたのが「伊勢海老のエビフライ」。もうびっくりするほどの美味しさでした。
アジフライかと思うほど縦にも横にも大きい伊勢海老フライは見た目のインパクトも抜群。美味しすぎて写真を撮るのを忘れるてしまったのが悔やまれます。
衣の中には、はちきれんばかりに身が詰まっていて、サクッと一口頬張ると、口の中で一気に伊勢海老が弾け飛びました。これぞ幸せ。
適度な弾力があり、プリプリというよりかはフカフカ。食べ応えがとにかくすごい。一口噛むごとにじわっとしたエビの甘さで口がいっぱい。「あぁ、もうこのまま飲み込みたくない」と本気で思いました。
最初見た時は「伊勢海老をフライにするなんてもったいない!」と思いましたが、すぐに撤回。高級食材をこんなにも贅沢に使える漁師町の豊かさに全力で感謝しました。
もう一つ、徳島の冬の味覚として欠かせないのがアオリイカ。身は柔らかく、舌の上でとろけていくような優しい食感は一度食べたらやみつきです。わさび醤油とのハーモニーもたまりません。
お刺身はもちろん美味しいのですが、私のおすすめはアオリイいかの唐揚げ。徳島名物のスダチを絞ってから、塩をつけていただきます。唐揚げ一つで、何杯だって焼酎がすすみます。
その町らしさを楽しむ徳島の冬
四国の右下の小さな港町のクリスマスは、大きなツリーもド派手なイルミネーションもありませんが、この町の、この時期でしか楽しめない景色と味覚に溢れています。波の音をBGMに、絶品海鮮料理を頬張りながら過ごす港町の冬。たくさんの笑い声に包まれた手作りの宴は、クリスマスに限らず、毎回、夜遅くまで笑い声で溢れています。
パーティーの余韻を引きずりながら家に帰る途中、見上げると頭上は満点の星空。思わず「なんでもない日、万歳!」と独り言を呟いてしまう、そんな夜がいくつもありました。
町の人からしたら“当たり前”の日常に、いちいち感動できるのはよそから移り住んだ移住者の特権かもしれません。(フリーライター・甲斐イアン)
■Profile
甲斐イアン
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
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外部リンク
甲斐イアン | ライター・イラストレーター(Twitter)=https://twitter.com/rikakokai_404
甲斐イアン | ライター・イラストレーター(note)=https://note.com/papas_papas/n/n3d38fe7f3df6
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