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スマホの平均画面サイズ、「5.87インチ」で高止まり? iPhoneの歴史とともに振り返ってみた

データ

2023/03/25 18:00

 主要家電量販店やオンラインショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によるとスマートフォン(スマホ)の平均画面サイズは、iPhoneが日本に上陸した2008年から約15年で「3.39インチ」から「5.87インチ」へ、2.48インチ大型化したことが分かった。iPhoneの主要シリーズの歴史とともに振り返ってみよう。

2022年4Qの平均画面サイズは「5.87インチ」で高止まり

2012年2Qに「4インチを」突破

 BCNランキングのデータは、2008年にiPhone 3G(3.5インチ)が初めて日本に上陸して以降のスマートフォンの画面サイズを四半期ごとに追ったもの。iPhoneとAndroidを含むすべてのスマホの販売台数から四半期ごとの平均画面サイズを算出した。

 また、日本ではiPhoneの所有率が高いことから、iPhoneの歴史とともに画面サイズも変化してきた。そこで、主なiPhoneシリーズの発売時期をグラフに落とし込んだ。

 平均画面サイズが4インチを突破したのは12年2Qのこと。前年の11年10月にiPhone 4S(3.5インチ)が発売され、13年9月に4Gに対応したiPhone 5s/5c(4インチ)が発売される。Apple以外からは、最大画面サイズで5インチ以上となる5.3インチや5.5インチのスマホも登場した頃だ。

 その後も14年にiPhone 6(4.7インチ)、16年にiPhone SE(第1世代、4インチ)やiPhone 7(4.7インチ)が発売。iPhone 6から初登場した大画面で高性能のPlusシリーズも、スマホの平均画面サイズの押し上げに貢献した。iPhone 6 Plus、6s Plus、7 Plus、8 Plusはいずれも5.5インチだった。

「iPhone X」でさらに大画面化が加速

 スマホの平均画面サイズが5インチを突破したのは17年4Q。iPhoneにとっても、さらに大画面化を加速させた象徴的なモデル「iPhone X(テン)」(5.8インチ)が発売されたタイミングだった。iPhoneで有機ELディスプレイを初搭載したモデルでもあった。

 iPhone X以降、20年1Qまで大画面化が加速。17年4Qに「5.10インチ」だった平均画面サイズは、20年1Qに「5.76インチ」へと0.66インチ拡大する。

 20年4月にiPhone SE(第2世代、4.7インチ)が発売され、コンパクトサイズへの回帰も見られたものの、同年11月のiPhone 12 Pro MAXでiPhone史上最大画面の6.7インチに到達。以降、iPhone 14 Plus(6.7インチ)とiPhone 14 Pro Max(6.7インチ)と、iPhoneは6.7インチで高止まりしている。なお、iPhone 12シリーズから5Gに対応している。

20年1Q以降は5.61~5.87インチの間で高止まり

 BCNランキングのデータからも、iPhone SE(第2世代)が発売された20年2Q以降、平均画面サイズは5.61~5.87インチの間で高止まりしている様子がわかる。最大画面サイズでは「7.60インチ」を記録するスマホが登場するなど、もはやタブレット端末の領域まで達している。

 さすがにこれ以上の拡大はないのだろうか、それともさらなる大画面化に進むのか。日本人が片手で持ったときの指で動かせる範囲や高性能な3眼や4眼カメラレンズ搭載による重さ、大画面化に伴うスマホケースの強度など、大画面化に向けてクリアすべき課題もある。

 メールや写メだけだったガラケーから、インターネットで動画を見るのが当たり前になったスマホ。今ではネット動画やSNS、ゲームなど日常のあらゆる場面でスマホのタッチポイントが増えている。そのスマホもYouTubeやVODなど横動画から、InstagramやTikTokなどの縦動画に変化しており、それに伴い縦に長いスマホも登場している。

 使いやすいスマホの画面サイズは利用シーンにより個人差があるものの、そろそろ大画面の限界にきているのか、それともさらに進化を遂げるのか。BCNランキングでは、平均画面サイズ「4.03インチ」(12年)から「5.10インチ」(17年)まで丸6年かかっている。とすれば、18年から丸6年の23年に「6.0インチ」に到達する可能性もあるのかもしれない。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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