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写真アルバムづくりは「子どもへの愛着が生まれる」と実証 心理実験で明らかに

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2018/12/27 15:00

 IAT(潜在的連合テスト)を用いた心理実験で、「アルバムづくりが子どもへの愛着を形成する」という効果が実証された。フィルムカメラからデジタルカメラ、そしてスマートフォンへと、身近な撮影機材が移り変わるなか、今や「PCやスマートフォンなどの画面で写真を見て、デジタル上でまとめ、自動で整理されたアルバムを見る」という行動が当たり前になってきた。

 一方、プリントされた写真、それをまとめた紙のアルバムにしかないメリットもあり、特に教育上の効果が認知されるようになれば、子育て世代に対し、プリンターや用紙・インクといったハードはもちろん、年賀状・フォトブック作成などのサービスまで、訴求のきっかけになる。

「子育てに対するアルバムの考え方を見直して」

 今回、ナカバヤシは、2016年4月から大阪教育大学の研究チームと進めている受諾契約研究として、「フォトアルバムの作成による対象児童への愛着形成に関する検討」をテーマに、アルバムをつくることで、対象の子どもに対し愛着形成をするかどうかを心理実験によって実証した。

 実験は、大阪教育大学の学生42名を対象に、18年2月~9月の期間に、「学習(親和性)フェイズ」と「テストフェイズ」でIAT(潜在的連合テスト)を実施。「学習(親和性)フェイズ」では、被験者、(A)モニターに表示される子どもを記憶するグループ、(B)タブレット端末を用いてアプリ上でデジタルアルバム編集を行うグループ、(C)アルバムを実際に用いて編集を行うグループの3グループに分け、グループごとに作業を行った。

 続く「テストフェイズ」では、学習フェイズで使用した子どもの写真やテストフェイズで初めて見る別の子どもの画像を1枚表示するたびに、「ポジティブ語<例:愛情>」「ネガティブ語<例:破産>」「ネガティブ語<例:漁港>」を表示し、「ポジティブ語」または「ネガティブ語」であれば指定のキーを押し、「ニュートラル語」の場合はキーを押さないままで待機する実験を90回ずつ行った。
 
アルバムづくりに関する行動が愛着形成に寄与するのかを、心理学上確立した実験方法で検証した

 IAT実験では、表示された対象に対して愛着が深いほど、ポジティブ語に対するキー押下の反応が無意識に早くなり、一方でネガティブ語に対しては反応が遅くなると判明している。

 実験の結果、アルバム編集を実際に行った被験者(Cグループ)のみ、モニターに「学習(親和性)フェイズ」の作業時に見た馴染みのある子どもの画像が表示された際に、初めて表示された(面識のない)子どもの画像が表示された場合と比較して、ポジティブ語に対するキー押下反応が0.1683秒早かった。つまり、「アルバムを実際に用いる方法が対象児童への愛着を明確に形成する」と明らかになった。
 

 なお、デジタルアルバム(Bグループ)は0.0457秒、画像の記憶のみ(Aグループ)は0.0332秒と大きな差は認められなかった。また、ネガティブ語に対しては被験者ごとの大きな差はなかった。
 
「フエルアルバム」の発売50周年を迎えたナカバヤシはアルバム文化の啓蒙活動を行っている

 実証実験の結果を受けて、ナカバヤシは、「ただ写真を見ているだけでは子どもに対する愛着は形成されず、アルバムをつくることで愛着が形成される』という“学術的”な効果の実証が得られたことで、今後、子育てに対するアルバムの考え方を見直していただく機会に繋がることを期待しているとコメントしている。