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短期間で人気を得た秘訣、デザインと性能を両立したcado空気清浄機

インタビュー

2018/02/22 17:35

 デザインと性能を両立した家電メーカーとして知られるようになったカドー。老舗ブランドの多い空気清浄機や加湿器で、cadoブランドをわずか2年たらずで定着させ、世界展開を視野に入れている。認知や信頼を短期間で得るために取った策は、独特なデザインと「世界一」の称号を得るという作戦だった。


「これからも世の中を驚かせるデザイン、機能を持つ製品をつくっていきたい」と語る、カドーの古賀宣行社長CEO

cadoの空気清浄機が手に入れた世界一

 日本市場へ参入するため、世界一を目指すとともに「日本初」の称号も狙った。そこで、初代カドー空気清浄機「AP-C700」が獲得したのは、米国家電製品協会(AHAM)の定める「CADR(クリーンエア供給率)」での世界最高値だ。CADRは、空気清浄機が1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表した指標。初代を踏襲した新製品「AP-C710S」も世界最高値を取得している。
 

CADRで世界最高値を取得したハイエンドモデル「AP-C710S」

 続けて、大気汚染に悩む中国が定めた新たな規格「中国標準規格(GB規格)」でも、最高得点を獲得した。「GB規格」は、中国で問題になっているホルムアルデヒドの除去性能を含む、厳しい評価基準をもつ規格。フィルターに関しては性能だけでなく、吸い込む速度、寿命まで重視される。

 世界最高値を獲得した影響は徐々に出てきた。「最初は医者やスポーツ選手の富裕層の方が購入し始めて、次に芸能人からも注目を集めるようになった。そうすると口コミが広がって、世間でも話題になりました」(古賀社長)。

 世界的に見ても厳しい基準で評価を得ることは、海外戦略を画策するカドーにとって大きなメリットといえる。古賀宣行社長は「日本のマーケットは小さい」と話し、「開拓を進めているアジア市場はまだまだ伸びしろがある。将来的には海外の売上金額構成比を50%ほどまで引き上げたい」と意気込みを語る。

 事業領域を世界へ広げるにあたって「メイドインジャパン」のイメージを前面に押し出すことはないという。古賀社長は「『日本製=よいもの』という認識は、薄れつつある国もあるように思う。なぜなら、一流のメーカーでも開発や生産の拠点を海外に置くことでコストを抑えるという手法を取るため、最新の機械を海外に配備することがあるから」と分析する。

 そのためカドーでは、為替の動きに合わせて生産拠点を変える戦略を取っている。コストを抑える試みを実施しながらも、市場の平均的な価格より高額な製品が人気を集める背景には、世界で最高の評価を得る性能を独特なデザインで実現するこだわりがある。

 次なる一手として「光触媒を活用した空気清浄機や加湿器を考えている。この分野をもっと研究すれば、新しい製品が生み出せるのではないか」と、古賀社長は今後の展望を語った。