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ビックカメラ京王調布店 内覧会レポート、「家電量販店の雰囲気を変える」

店舗

2017/09/30 12:00

 ビックカメラ京王調布店が9月28日、京王線調布駅前にオープンした。1階にはスポーツ用品と酒類だけを置いたり、2階のスマートフォンケース売り場にはビックカメラ初の什器を使ったりと、新たな試みが随所に見られる。後藤大輔店長は「女性も来店しやすいように、工夫を凝らしている」と狙いを話す。1階はスポーツと酒類、2階はPC・スマートフォン、オーディオ、事務機器、電子文具など、3階はメガネやおもちゃ、ゲーム、テレビ、カメラ、4階は家電製品とリフォーム。年商目標は50億円だという。


一階にある家電製品は、各階の特徴的な商品のみ。
家電量販店らしさを抑えることで、女性が入店しやすいように工夫している

家電量販らしさを抑え、やさしい木目調で顧客開拓

 1階には家電製品をほとんど置かず、酒類と自転車を展開。ゴルフ用品も置かずに、約200台の自転車とオーダーメイド用の各種パーツを揃えた「ライダーズカフェ」や、女性に人気がある電動自転車、写真映えのするオシャレな瓶に入った酒類を置くことで、今まで家電量販店には少なかった女性の来店を誘う。また、これまでの店舗では無機質な什器に大量のスマホケースを並べていたが、新店舗では木目調の2種類の棚を初めて導入。薄い色の棚は女性向け、濃色の棚は男性向けの品揃えになっている。
 

豊富な種類の自転車とオーダーメイド用のパーツ
 

ビックカメラ初導入の木目調で背の低いスマホケースの商品棚。左が女性向けの棚で、右が男性向けの棚

床面積3900m2の中規模店舗、在庫は天井にも届く

 ビックカメラの幅広い品揃えを中規模の売り場で訴求するには、在庫を収納するスペースの確保が難しい。そこで京王調布店では、新たに柱の上部に収納棚を設けて在庫を管理する手法をとった。在庫だけでなくPCのケースを展示するなど、商品棚としても活用している。「壁を見せない」という方針から、今回は天井に張り巡らされた通気ダクトの側面にも商品を貼りつけ、スペースを余すことなく生かす。
 

柱の上部やダクトの側面にも商品展示

メガネを選びやすいように、7つの価格帯で分類

 メガネ売り場では、ビックカメラ初の取り組みを実施。今までブランドやレンズ別に細かく分かれていたメガネを、価格帯で7つに振り分けた。以前よりも高くなった商品はなく、レンズ代も表示価格に含まれている。申し込みから受け渡しまでは、40分程度で対応する。
 

メガネを7つの価格帯に分類し、選びやすく

調理家電の販売促進、料理の写真でコト提案

 ターゲットである女性の購買意欲を掻き立てるため、調理家電を使って料理した場合にはどのような出来栄えになるのかを、SNS映えを意識した写真で訴求。SNSには写真を公開するためのコミュニティを用意する。スペックの数値ではなく、商品を買えばどのような体験ができるかを伝えることで、コト消費を促す狙いだ。
 

写真映えを狙う料理の画像を天井から吊り下げている

 このほか、ドクターエアの専門コーナーや、200以上のアイテムが試用できるヘッドホン・イヤホン売り場を備える。IoTコーナーやドローンの操縦シミュレーションなど、後藤店長は「品揃え的には、売り場面積が約8000㎡のビックカメラJR八王子駅店と変わらない」と語る。
 

ドクターエアの専門コーナー(左)と、ドローンコーナー

 新店舗は、「新しい発見に出会える」をコンセプトに、各階のそれぞれの売り場の入口に話題の最新家電や人気の商品を配置することで、来店するたびに新しい発見ができる、地域に愛される店舗を目指す。(BCN・南雲 亮平)