2017.7.27 11:30
かしこく暮らす「テレビ、スマホ、PCは好転」 BCNが予測する2020年のデジタル家電市場
近年、社会動勢や企業の経営計画が語られる際、必ず登場するキーワードが「2020年」。東京五輪という一大イベントの開催にあわせて官民ともにさまざまな取り組みが行われているほか、20年前後の実用化が期待されるテクノロジーも多く、家電市場でもこの年は大きな節目になりそうだ。東京五輪が開幕する3年後までに、家電とその売り方はどう変わっていくのかを、識者の知見を借りながら読み解いてみよう。

■<2020年のデジタル家電市場>
テレビ、スマホ、PCは好転
不調分野も5G通信に活路
高付加価値商品を中心として堅調に推移している白物家電に対し、ここ数年苦戦が続いていたデジタル家電。しかし、本紙でも伝えているように、PC市場のダウントレンドが底を打ったとみられるほか、テレビが地デジ化以来の買い替え期に来ているなど、復調の兆しも感じられる。
BCNでは、6月28日に「大胆予測! 2020年のデジタル家電市場」と題する家電流通関係者向けのセミナーを開催した。そのなかで、これまで家電販売店から提供されたPOSデータとBCN総研アナリストの知見をもとに、デジタル家電の主要カテゴリについて20年までの販売台数予測を発表した。今後の市場拡大が期待できるカテゴリも多く含まれている。
最も大きな伸長が期待できるのは薄型テレビだ。ここ数年は、年間500万台程度で伸び悩んでいたが、地デジ化と家電エコポイントの導入で買われた10年前後のモデルが買い替え時期を迎えているため、来年の4K本放送開始に合わせて需要は伸びると期待される。BCN総研では、20年の販売台数を900万台弱と見込んでいるが、道越アナリストは「ややコンサバティブにみた数字」と話しており、さらに上振れする可能性もある。
現状40型未満の製品が販売されていない4Kテレビへの買い替えが市場を牽引していることから、平均画面サイズも大きくなっている。ただ、グローバルでは大型化が将来的にも続くとみられるのに対し、日本では住宅事情との兼ね合いから、50型以上がボリュームゾーンになることは考えにくいとの見方を道越アナリストは示した。

国内メーカー勢の撤退で息継ぎ感のあったスマートフォン市場も、MVNOとSIMフリー端末の定着によって再び盛り上がりをみせており、昨年から漸増傾向に転じている。すでに新規ユーザーの獲得や単価の向上は難しく、買い替え需要が中心にはなっているが、19年10月の消費税増税までは堅調に推移するとみられる。PCは20年1月にWindows 7のサポート終了を迎えるため、19年に買い替え需要のピークが訪れそうだ。
これらの製品カテゴリにおいて、販売台数を大きく伸ばすのは容易ではないが、IoTとそれを支える5G通信の実用化によって、高付加価値化を図るチャンスはある。例えば、デジタルカメラも常時ネット接続を前提とした設計になれば、クラウド側のリソースを活用し、画像の永久保存や、AIを画像補正なども可能になる。
一般消費者の間では、IoTという言葉の浸透はまだ限定的だが、何でもネットにつながる時代はすでに到来している。今後Amazonの「Echo」やLINEの「WAVE」などが発売されると、ネットワークを介した家電のコントロールも急速に普及しそうだ。(BCN・日高 彰)
■プロフィール
BCN総研 チーフエグゼクティブアナリスト
道越一郎
2005年BCN入社、2015年1月より現職。デジタル家電の市場分析を元に社内外
のメディアに向けて情報発信を行う。
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年8月号から転載

■<2020年のデジタル家電市場>
テレビ、スマホ、PCは好転
不調分野も5G通信に活路
高付加価値商品を中心として堅調に推移している白物家電に対し、ここ数年苦戦が続いていたデジタル家電。しかし、本紙でも伝えているように、PC市場のダウントレンドが底を打ったとみられるほか、テレビが地デジ化以来の買い替え期に来ているなど、復調の兆しも感じられる。
BCNでは、6月28日に「大胆予測! 2020年のデジタル家電市場」と題する家電流通関係者向けのセミナーを開催した。そのなかで、これまで家電販売店から提供されたPOSデータとBCN総研アナリストの知見をもとに、デジタル家電の主要カテゴリについて20年までの販売台数予測を発表した。今後の市場拡大が期待できるカテゴリも多く含まれている。
薄型テレビ市場は現在の1.8倍に拡大
BCN総研の道越一郎・チーフエグゼクティブアナリストは、4K・8K実用放送の開始、消費税増税前の駆け込み需要、5G通信の実用化など、今後3年ほどの間にデジタル家電市場に大きな影響を与えるイベントが数多く控えていることを指摘し、「業界は20年に向けて動いていくことは間違いない」と話す。最も大きな伸長が期待できるのは薄型テレビだ。ここ数年は、年間500万台程度で伸び悩んでいたが、地デジ化と家電エコポイントの導入で買われた10年前後のモデルが買い替え時期を迎えているため、来年の4K本放送開始に合わせて需要は伸びると期待される。BCN総研では、20年の販売台数を900万台弱と見込んでいるが、道越アナリストは「ややコンサバティブにみた数字」と話しており、さらに上振れする可能性もある。
現状40型未満の製品が販売されていない4Kテレビへの買い替えが市場を牽引していることから、平均画面サイズも大きくなっている。ただ、グローバルでは大型化が将来的にも続くとみられるのに対し、日本では住宅事情との兼ね合いから、50型以上がボリュームゾーンになることは考えにくいとの見方を道越アナリストは示した。

国内メーカー勢の撤退で息継ぎ感のあったスマートフォン市場も、MVNOとSIMフリー端末の定着によって再び盛り上がりをみせており、昨年から漸増傾向に転じている。すでに新規ユーザーの獲得や単価の向上は難しく、買い替え需要が中心にはなっているが、19年10月の消費税増税までは堅調に推移するとみられる。PCは20年1月にWindows 7のサポート終了を迎えるため、19年に買い替え需要のピークが訪れそうだ。
苦戦続くデジカメ クラウド連携がカギか
一方で、今後も厳しさが続くとみられるのが、スマートフォンの内蔵カメラに侵食されたデジタルカメラ市場だ。今年の販売台数は300万台強の見込みで、当面は市場が上向く材料はみあたらない。下げ止まりはするかもしれないが、20年も現在と市場規模はほぼ変わらないという予想だ。一昔前まではスマートフォン同様に急成長したタブレット端末も、現在の600万台程度から20年には約500万台まで縮小するとみられる。これらの製品カテゴリにおいて、販売台数を大きく伸ばすのは容易ではないが、IoTとそれを支える5G通信の実用化によって、高付加価値化を図るチャンスはある。例えば、デジタルカメラも常時ネット接続を前提とした設計になれば、クラウド側のリソースを活用し、画像の永久保存や、AIを画像補正なども可能になる。
一般消費者の間では、IoTという言葉の浸透はまだ限定的だが、何でもネットにつながる時代はすでに到来している。今後Amazonの「Echo」やLINEの「WAVE」などが発売されると、ネットワークを介した家電のコントロールも急速に普及しそうだ。(BCN・日高 彰)
■プロフィール
BCN総研 チーフエグゼクティブアナリスト 道越一郎
2005年BCN入社、2015年1月より現職。デジタル家電の市場分析を元に社内外
のメディアに向けて情報発信を行う。
<『BCN RETAIL REVIEW』2017年8月号・特集>
2020年 デジタル・家電市場予測
・「テレビ、スマホ、PCは好転」 BCNが予測する2020年のデジタル家電市場(本記事)
・ジャーナリスト立石泰則氏に聞く、2020年の国内家電市場
・経済ジャーナリスト千葉利宏に聞く、2020年の住宅・リフォーム業界
・人気マンションブロガーのらえもん氏に聞く、2020年のマンション業界・住まい事情
2020年 デジタル・家電市場予測
・「テレビ、スマホ、PCは好転」 BCNが予測する2020年のデジタル家電市場(本記事)
・ジャーナリスト立石泰則氏に聞く、2020年の国内家電市場
・経済ジャーナリスト千葉利宏に聞く、2020年の住宅・リフォーム業界
・人気マンションブロガーのらえもん氏に聞く、2020年のマンション業界・住まい事情
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年8月号から転載
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