• ホーム
  • トレンド
  • <LOGOS・キヤノンのコーポレートロゴ>「KWANON」からキヤノンに発展

<LOGOS・キヤノンのコーポレートロゴ>「KWANON」からキヤノンに発展

特集

2017/03/24 13:05

 【LOGOS~企業や製品の顔となるロゴの歴史を追う】1934年、あるカメラの試作機が誕生した。名称は「KWANON(カンノン)」。製品として日の目を見ることはなかったが、開発した「精機光学研究所」はその後、世界的なメーカー「キヤノン」として大きな発展を遂げた。


 最初の「Canon」ロゴは、35年に商標登録された。本格的にカメラを発売するため、世界に通用するブランドが必要になることがきっかけだった。
 
同部の花田一成部長、同部ブランド推進課の芳賀可奈子さん

 精密機器メーカーにとってふさわしい「聖典」「規範」「標準」という意味があるほか、発音が「カンノン」に似ていたことが採用の決め手。「ヤ」が大きいのは、見た目のバランスを考え、きれいに見えるようにしたためだ。
 

キヤノンの由来となった「カンノン」のロゴ

 キヤノン渉外本部コーポレートブランド推進部の花田一成部長と同部ブランド推進課の芳賀可奈子さんによると、当時、小さい「ャ」が一般的にあまり使われていなかったことも、大きな「ヤ」を使う理由なのだという。

 現在のロゴは、56年に制作されたデザインが原型。内側に折れた「C」の先端が円の中心を指しているほか、全体が相似を計算した形になっている。ロゴの色は、「たゆまぬ情熱の証」を示す独自色「キヤノンレッド」だ。

 海外では、特徴的な「C」のデザインが日本的に見える場合も。ニューヨーク近代美術館は「日本の書の精神が入っている」として、キヤノンのロゴが入ったポスターを永久収蔵している。

 キヤノンは現在、カメラ市場をリードする立場になったが、「もっといいものを作り続けたい」と3人は口をそろえる。長い歴史のなかで培ってきた技術を磨き、今後も、「カンノン」に込めた「世界で最高のカメラを創る夢を実現したい」という思いを追い続ける。

■会社データ
企業名:キヤノン
所在地:東京都大田区下丸子3-30-2
創立:1937年