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実は長い歴史をもつ「ノイズキャンセリング」に関する豆知識

特集

2016/12/28 12:06

 2000年、BOSEが世界で初めて、一般消費者向けのヘッドホンに搭載したノイズキャンセリング技術。元は飛行機のパイロットが、飛行中でも正確な通信をできるように開発した技術だった。意外にも歴史は長い。


世界初の民生用ノイズキャンセリングヘッドホン
「QuietComfort Acoustic Noise Cancelling headphones」

 周囲のノイズを消し、音楽をより集中して楽しめるようにするノイズキャンセリング。主な方式は、電気を使うか使わないかの2通り。耳を完全に覆い肌と密着させ、遮音性を高める「パッシブ方式」と、外から入ってくるノイズと逆の波長の信号を電気的に発生させ、ノイズを打ち消す「アクティブ方式」だ。

 また、ノイズを集音するマイクをどの位置に設置するかで、方式が変わる。例えば耳元に近い場合、聞こえる直前のノイズを的確に消すことができる代わりに、音楽にも影響を与えることがある「フィードバック式」。一方、耳から離れている場合は、音楽に影響は少ない代わりに、ノイズキャンセリング効果は薄れる「フィードフォワード式」となる。

 BOSEが2000年から民生用ヘッドホンに使い続けている方式は、「アコースティックノイズキャンセリング方式」。音が電気信号から、空気を振動させる波に変わった瞬間に、空中で音同士をぶつけてノイズをコントロールする方式だ。この方式を利用することで、周囲から入ってくるノイズを調整する「可変ノイズキャンセリング」を実現した。外部のノイズを継続的に測定・比較し、それに反応して、逆位相の信号でノイズを打ち消すという仕組みだ。

 ヘッドホンは、「いい音を聴く」という音質はもちろん、使い勝手の良さもポイント。ノイズキャンセリングは、ワイヤレスとともに、プラスαのポイントとして訴求していきたい。