公募で決めたブランド名が社名になったバッファロー

特集

2016/11/01 11:32

 メルコホールディングスの中核企業、バッファローの社名の由来は、1982年に発売した「プリンタバッファ」の製品名を公募した際、採用された愛称「バッファ郎」からだ。


ユーザーニーズから生まれた製品として注目を集めた
「プリンタバッファ」(メルコグループ40周年 記念サイト「バッファローアーカイブス」より)

 今では聞かなくなった「プリンタバッファ」とは、PC、プリンタの処理性能が低かった当時、印刷中にPCの動作を止めないために欠かせなかったプリンタ用周辺機器で、プリンタバッファを動物の「バッファロー」になぞらえ、製品との語呂合わせの面白さとバッファローが力強く駆けるイメージから、製品ブランドとして採用したという。その後、2003年に、ホールディングス制の移行にあわせ、社名もメルコから、製品ブランドと同じバッファローに変更した。

 この「バッファ郎」のヒットをきっかけに、同社はPC周辺機器メーカーとして歩み始めた。その後も、マウスやUSBメモリなど、オーソドックスなPC周辺機器・サプライ品に加え、ワンセグチューナー「ちょいテレ」、デジタルフォト・アルバム「おもいでばこ」など、記憶に残る印象的なネーミングの製品を投入し、知名度を高めていった。
 

「ちょいテレ(DH-ONE/U2)」と「おもいでばこ PD-1000シリーズ」

 2015年に創業40周年を迎えたことを記念し、今年2月には、ブランドイメージカラーのスペシャルレッド塗装を施した特別仕様の外付けHDDとWi-Fiルータを直販サイトで台数限定で発売した。メルコグループ創業40周年特設サイトでは、これまでの歩みや、製品開発者などの社員インタビューも公開している。
 

創業40周年記念限定モデル(完売)

さらなる拡大を目指し、今年6月、コーポレートステートメントを一新

 印象的なレッドの「バッファロー」のブランドロゴに添えられたコーポレートステートメントは、1987年4月から2000年3月までは「パソコン、もっと使いやすく」、2000年4月から2009年6月までは「インターネット、もっと使いやすく」、2009年7月からは「デジタルライフ、もっと快適に」だった。

 コーポレートステートメントの変遷から、PCやインターネットの一般家庭への広がりや、PC周辺機器メーカーから、総合周辺機器メーカーとして成長してきた同社の足跡がうかがえる。

 そして、今年6月、メルコグループの中期ビジョン「ゲートウェイ2.0」に基づき、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、IoT時代の社会全体での安心ネットワークを提供することで、理念を共有するすべてのステークホルダーの幸せを実現していくという強い思いを込め、「つなぐ技術で、あなたに喜びを」に変更した。

現在のコーポレートステートメント

 無線LANは、スマートフォンやPCはもちろん、テレビや生活家電などのワイヤレス化にも欠かせない。IoT時代が到来し、インターネットにつながるWi-Fi対応機器が増えれば増えるほど、重要性は増す。さらなる躍進に期待したい。(BCN・嵯峨野 芙美)