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わかりにくいWi-Fiルータ売り場を見直そう 「接続台数」でトーク組み立て

売るヒント

2016/06/24 18:00

 家電量販店のWi-Fiルータ売り場は「顧客にとって親切か」、といわれれば必ずしもそうなってはいないだろう。棚にはメーカー別に商品が陳列され、高価格帯の商品や新商品などリテール側が売りたい商品をお客の目線に入るゾーンに並べるのが一般的だ。これでは、来店客はせいぜいデザインの好き嫌いと価格から選ぶしかない。家族一人ひとりがスマートフォンを持つ時代において、Wi-Fiルータは家庭内の通信インフラを支える機器として重要な役割を担っている。今回は、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」のルータ販売台数シェアでトップのバッファローに聞いてみた。

顧客に親切なWi-Fiルータ提案 「Wi-Fi機器は何台お持ちですか」

 11ac、11n、11gなど無線LANの規格の違いを説明しても、お客はピンとこない。商品を選ぶポイントは、スピードの速さと電波の届く距離だからだ。まずは「Wi-Fiルータに接続したい機器の台数」からアプローチしてみよう。

 具体的には、お客に「Wi-Fi対応機器は何台お持ちですか」と聞く。すると多くのお客は「スマートフォンとPCの2台」と答えるだろう。

 しかし実際は、お客が考えている以上に、家の中はWi-Fi対応機器で溢れている。デジタルカメラやデジタルビデオカメラはSNSにアップするWi-Fi機能を備えているし、プリンタもWi-Fiでつながっている。

 リビングにあるテレビやレコーダー、据え置き型ゲーム機、携帯型ゲーム機に至るまで、多くのデジタル製品がWi-Fi機能を内蔵しているのだ。白物家電でもエアコンなど屋外からスマホで制御できるようWi-Fi機能を搭載するモデルもある。

 例えば、4人家族で1人当たり平均4台のWi-Fi機器を持っているとすれば、家族全員で16台という計算になり、最大接続台数が18台のWi-Fiルータが提案できる。逆に、接続台数が6台や12台のWi-Fiルータでは物足りない。Wi-Fi機器が家庭内に何台あるかをヒアリングして、顧客のライフスタイルに最適なルータを選ぶアプローチは有効だろう。
 
 

従来モデルのリプレースも

 実際に「接続台数のヒアリング」は顧客に刺さるポイントだ。バッファローの担当者は、その理由をこう語る。

 「お客様から『最近、Wi-Fiの通信速度が突然遅くなった』と言われたら買替えのサイン。ルータにもそれぞれ処理能力に違いがあり、過去のルータではスマホなど何台も同時につながると、それが原因でつながりにくくなってしまう」。

 バッファローを例に挙げれば、最上位の「WXR-2533DHP2」は「デュアルコア1.4GHz」、「WXR-1900DHP2」は「デュアルコア1.0GHz」、「WXR-1750DHP」は「デュアルコア800MHz」という違いがある。
 

 バッファローのAirStationシリーズの累計出荷台数は4000万台以上に上る。今後も相当数の買替え需要が期待できる。
 

アンテナの小ネタでクロージング

 最後に、知ると役立つ「外付けアンテナ」の使い方を説明してクロージングにもっていく。アンテナはつなげたい機器の方に向けると電波が強くなると思っているお客は多い。

 しかし、実は間違い。電波はアンテナと直交する形で円を描くように広がる特性がある。図3のようにアンテナを縦に立てたときは横に広がり、横に寝かすと上下に広がるのだ。3階建ての戸建てに住むお客には、アンテナを寝かせる方法を説明すればきっと喜ばれるだろう。(BCN・細田 立圭志)
 
 
※購読無料の専門紙『BCN Retail Review』2016年7月号から一部改稿して転載