「iPhone 4S」キャリア対決、ソフトバンク51.7%、au48.3%でほぼ互角のスタート
10月14日、アメリカ、日本を含む世界7か国でアップルの最新スマートフォン「iPhone 4S」が発売された。米アップルが17日に発表したプレスリリースによると、「iPhone 4S」の販売台数は発売からわずか3日間で400万台を超えたという。これは電話としては過去最高の数字で、「iPhone 4」発売直後の3日間の販売台数の2倍以上。日本でも、ソフトバンクモバイル(SoftBank)とKDDI(au)の2社が販売し、2010年6月発売の前機種「iPhone 4」の初動を大きく上回る好調なスタートを切った。
量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、「iPhone 4S」発売日の10月14日を含む10月第2週(2011年10月10日~16日)の携帯電話全体の販売台数1位は、「iPhone 4S」SoftBank版の64GB、2位は「iPhone 4S」au版の32GBだった。3位~6位もすべて「iPhone 4S」で、前週1位だった「GALAXY S II SC-02C」は7位に、2位だった「Xperia acro SO-02C」は8位にダウンした。
キャリア・容量が異なる6機種を合計すると、「iPhone 4S」のシェアは53.7%。キャリアごとに別の機種とみなすと、ソフトバンクの「iPhone 4S」がシェア27.7%で1位、auの「iPhone 4S」がシェア25.9%で2位となり、3位にソフトバンクの「iPhone 4」、4位に「GALAXY S II SC-02C」が続く。実質的には、iPhoneシリーズのトップ3独占となった。
アップルの「iPhone 4S」が爆発的に売れた結果、携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの割合は、週次集計では過去最高の78.4%を記録。9月は57.1%だったが、10月はすでに1日~17日の途中集計の時点で69.3%に達しており、月次集計でも、6割を超える見込みが濃厚だ。iPhone 4S、Android搭載スマートフォンの売れ行きによっては7割を超えるかもしれない。
ここからは10月第2週のデータをもとに、「iPhone 4S」に限ったランキングとキャリア別・容量別のシェア、「iPhone 4」との売れ行きの比較などをみていこう。なお、あくまで「量販店の実売データ」である「BCNランキング」にもとづくもので、アップル直営店やキャリアのショップなど、すべての販売店を網羅した数値ではない点はあらかじめお断りしておく。
「iPhone 4S」に限って集計すると、SoftBank版の64GBモデル、au版の32GBモデル、au版の64GBモデル、SoftBank版の32GBモデル、SoftBank版の16GBモデル、au版の16GBモデルの順だった。1位と2位の差は0.2ポイント、3位と4位の差は0.5ポイントと僅差だ。また、発売初日の10月14日に限ると、2位と3位の順位が入れ替わり、au版も64GBモデルがトップだった。
キャリア別シェアは、ソフトバンクが51.7%、今回から新たに取り扱いを開始したKDDI(au)が48.3%。既存iPhoneユーザーの機種変更での購入が多かったのか、ソフトバンクがわずかに上回った。発売直後の「初速」だけでは判断できないが、もし今後もほぼ互角の状態が続くようなら非常に面白い。
容量別のシェアは、64GBが36.8%、32GBが36.1%、16GBが27.0%を占め、新たに加わった64GBとおなじみの32GBが拮抗している。「iPhone 4」も「iPhone 3GS」も、発売直後は16GBモデルより32GBモデルのほうが売れていたので、想定内の結果だといえる。メモリカードスロットのないiPhoneは、できるだけ容量の大きいモデルを選んだほうが、後々容量不足に陥らずに安心だ。ただ、その分、端末価格が高い。当初欲しかった容量・色が入荷待ちの場合、やむなく在庫があるものから選ぶ人もいるだろう。店舗での在庫状況も影響しているため、必ずしも人気を直に反映しているとはいえないが、容量選びの参考にして欲しい。
“ファン”の熱心度を示す指標として、「iPhone 4」と「iPhone 4S」の発売初日の販売台数を比較すると、2キャリア合算で2.4倍と「iPhone 4」を大きく上回った。比較対象の期間をそれぞれ土日を含む発売4日間に拡大すると、5.4倍にもなる。ソフトバンクに限っても、発売初日で1.2倍、発売4日間で2倍と、伸び率はやや低めだが拡大している。
ソフトバンクモバイルの広報によると、購入者が殺到したため、システムに不具合が生じ、発売初日の8時から11時まで手続きをいったん休止するというトラブルがあったが、その後は全社レベルでのトラブルはないという。トラブルによる直接的なマイナスよりも、トラブル発生報道によるイメージダウンのほうが大きそうだ。同様にKDDIの広報に問い合わせると、アップル直営店で一時、回線が止まった以外にトラブルはなく、混雑への対策として、auショップについては、「予約時に引き渡し時間をお知らせして、お客様を待たせないようにしています」ということだった。
実際に訪れた店舗の様子やインターネット上の口コミ情報から判断すると、「iPhone 4S」は、取り扱いキャリアが増え、お互いに競っているからか、これまでよりだいぶ買いやすくなっている印象を受ける。さて、発売直後特有の混雑をあえて避けた層や、様子を見ていた層が徐々に動き始める発売2週目以降はどうなるだろうか? (BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
2011.10.28/11.11追記:続報を掲載しました。
・<続報>「iPhone 4S」キャリア対決、発売2週目はauがシェア59.5%でソフトバンクを引き離す
・スマートフォンが携帯電話の月間販売台数の7割に、「iPhone 4S」効果で占有率が上昇
「iPhone 4S」が1位から6位まで独占! 6機種合計のシェアは何と53.7%!!
量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、「iPhone 4S」発売日の10月14日を含む10月第2週(2011年10月10日~16日)の携帯電話全体の販売台数1位は、「iPhone 4S」SoftBank版の64GB、2位は「iPhone 4S」au版の32GBだった。3位~6位もすべて「iPhone 4S」で、前週1位だった「GALAXY S II SC-02C」は7位に、2位だった「Xperia acro SO-02C」は8位にダウンした。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | OS | 販売台数シェア(%) |
1 | SoftBank | アップル | iPhone 4S 64GB(SoftBank) | iPhone 4S 64GB(SoftBank) | iOS | 10.4 |
2 | au | アップル | iPhone 4S 32GB(au) | iPhone 4S 32GB(au) | iOS | 10.3 |
3 | au | アップル | iPhone 4S 64GB(au) | iPhone 4S 64GB(au) | iOS | 9.4 |
4 | SoftBank | アップル | iPhone 4S 32GB(SoftBank) | iPhone 4S 32GB(SoftBank) | iOS | 9.1 |
5 | SoftBank | アップル | iPhone 4S 16GB(SoftBank) | iPhone 4S 16GB(SoftBank) | iOS | 8.2 |
6 | au | アップル | iPhone 4S 16GB(au) | iPhone 4S 16GB(au) | iOS | 6.3 |
7 | NTTドコモ | SAMSUNG(サムスン電子) | GALAXY S II | SC-02C | Android | 3.4 |
8 | NTTドコモ | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia acro | SO-02C | Android | 3.3 |
9 | SoftBank | アップル | iPhone 4 16GB | iPhone 4 16GB | iOS | 2.3 |
10 | au | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | XPERIA acro IS11S | IS11S | Android | 2.1 |
11 | SoftBank | アップル | iPhone 4 32GB | iPhone 4 32GB | iOS | 1.7 |
12 | NTTドコモ | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-07B | P-07B | - | 1.6 |
13 | NTTドコモ | シャープ | SH-11C | SH-11C | - | 1.4 |
14 | NTTドコモ | 富士通 | らくらくホン ベーシック3 | F-08C | - | 1.2 |
15 | NTTドコモ | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-06C | P-06C | - | 1.1 |
16 | NTTドコモ | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | MEDIAS WP | N-06C | Android | 1.1 |
17 | NTTドコモ | 富士通 | F-12C | F-12C | Android | 1.1 |
18 | NTTドコモ | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia ray | SO-03C | Android | 1.1 |
19 | NTTドコモ | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | MEDIAS | N-04C | Android | 0.9 |
20 | SoftBank | ZTE | みまもりケータイ | 005Z | - | 0.8 |
「BCNランキング」2011年10月第2週 週次<最大パネル>
キャリア・容量が異なる6機種を合計すると、「iPhone 4S」のシェアは53.7%。キャリアごとに別の機種とみなすと、ソフトバンクの「iPhone 4S」がシェア27.7%で1位、auの「iPhone 4S」がシェア25.9%で2位となり、3位にソフトバンクの「iPhone 4」、4位に「GALAXY S II SC-02C」が続く。実質的には、iPhoneシリーズのトップ3独占となった。
アップルの「iPhone 4S」が爆発的に売れた結果、携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの割合は、週次集計では過去最高の78.4%を記録。9月は57.1%だったが、10月はすでに1日~17日の途中集計の時点で69.3%に達しており、月次集計でも、6割を超える見込みが濃厚だ。iPhone 4S、Android搭載スマートフォンの売れ行きによっては7割を超えるかもしれない。
2キャリアはほぼ互角、容量は64GB・32GB・16GBの順に人気
ここからは10月第2週のデータをもとに、「iPhone 4S」に限ったランキングとキャリア別・容量別のシェア、「iPhone 4」との売れ行きの比較などをみていこう。なお、あくまで「量販店の実売データ」である「BCNランキング」にもとづくもので、アップル直営店やキャリアのショップなど、すべての販売店を網羅した数値ではない点はあらかじめお断りしておく。
iPhone 4S発売日の携帯電話コーナー(ビックカメラ有楽町店)
「iPhone 4S」に限って集計すると、SoftBank版の64GBモデル、au版の32GBモデル、au版の64GBモデル、SoftBank版の32GBモデル、SoftBank版の16GBモデル、au版の16GBモデルの順だった。1位と2位の差は0.2ポイント、3位と4位の差は0.5ポイントと僅差だ。また、発売初日の10月14日に限ると、2位と3位の順位が入れ替わり、au版も64GBモデルがトップだった。
順位 | キャリア | 品名 | 容量 | 販売台数 シェア(%) |
1 | SoftBank | iPhone 4S 64GB(SoftBank) | 64GB | 19.4 |
2 | au | iPhone 4S 32GB(au) | 32GB | 19.2 |
3 | au | iPhone 4S 64GB(au) | 64GB | 17.5 |
4 | SoftBank | iPhone 4S 32GB(SoftBank) | 32GB | 17.0 |
5 | SoftBank | iPhone 4S 16GB(SoftBank) | 16GB | 15.4 |
6 | au | iPhone 4S 16GB(au) | 16GB | 11.7 |
「BCNランキング」2011年10月第2週 週次<最大パネル>
キャリア別シェアは、ソフトバンクが51.7%、今回から新たに取り扱いを開始したKDDI(au)が48.3%。既存iPhoneユーザーの機種変更での購入が多かったのか、ソフトバンクがわずかに上回った。発売直後の「初速」だけでは判断できないが、もし今後もほぼ互角の状態が続くようなら非常に面白い。
容量別のシェアは、64GBが36.8%、32GBが36.1%、16GBが27.0%を占め、新たに加わった64GBとおなじみの32GBが拮抗している。「iPhone 4」も「iPhone 3GS」も、発売直後は16GBモデルより32GBモデルのほうが売れていたので、想定内の結果だといえる。メモリカードスロットのないiPhoneは、できるだけ容量の大きいモデルを選んだほうが、後々容量不足に陥らずに安心だ。ただ、その分、端末価格が高い。当初欲しかった容量・色が入荷待ちの場合、やむなく在庫があるものから選ぶ人もいるだろう。店舗での在庫状況も影響しているため、必ずしも人気を直に反映しているとはいえないが、容量選びの参考にして欲しい。
“ファン”の熱心度を示す指標として、「iPhone 4」と「iPhone 4S」の発売初日の販売台数を比較すると、2キャリア合算で2.4倍と「iPhone 4」を大きく上回った。比較対象の期間をそれぞれ土日を含む発売4日間に拡大すると、5.4倍にもなる。ソフトバンクに限っても、発売初日で1.2倍、発売4日間で2倍と、伸び率はやや低めだが拡大している。
ソフトバンクモバイルの広報によると、購入者が殺到したため、システムに不具合が生じ、発売初日の8時から11時まで手続きをいったん休止するというトラブルがあったが、その後は全社レベルでのトラブルはないという。トラブルによる直接的なマイナスよりも、トラブル発生報道によるイメージダウンのほうが大きそうだ。同様にKDDIの広報に問い合わせると、アップル直営店で一時、回線が止まった以外にトラブルはなく、混雑への対策として、auショップについては、「予約時に引き渡し時間をお知らせして、お客様を待たせないようにしています」ということだった。
実際に訪れた店舗の様子やインターネット上の口コミ情報から判断すると、「iPhone 4S」は、取り扱いキャリアが増え、お互いに競っているからか、これまでよりだいぶ買いやすくなっている印象を受ける。さて、発売直後特有の混雑をあえて避けた層や、様子を見ていた層が徐々に動き始める発売2週目以降はどうなるだろうか? (BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
2011.10.28/11.11追記:続報を掲載しました。
・<続報>「iPhone 4S」キャリア対決、発売2週目はauがシェア59.5%でソフトバンクを引き離す
・スマートフォンが携帯電話の月間販売台数の7割に、「iPhone 4S」効果で占有率が上昇
【「iPhone 4S」の詳細・キャリアごとの詳細】
・米アップル、カメラ機能を強化した「iPhone 4S」を発表、日本ではソフトバンクとauが販売
・KDDI、「iPhone 4S」の詳細を発表、キャンペーン適用時の実質負担額は16GBで0円
・ソフトバンクモバイル、「iPhone 4S」の詳細を発表、iPadとの2台持ちキャンペーンも
【発売記念セレモニー・店頭の様子】
・ビックカメラ有楽町店でみる「iPhone 4S」、ソフトバンクとKDDIの違い
・KDDI、iPhone 4Sの発売セレモニー、au復活に向けて「これからが始まり」と田中社長
・ソフトバンクモバイル「iPhone 4S」発売、孫正義社長がスティーブ・ジョブズ氏への思いを語る
・iPhone 4Sを先着順・当日販売したアップルストア銀座、いち早く手に入れたい人が大集結
【これまでの「iPhone」の売れ行き】
・「auもiPhone販売」の報道後も売れ続けたiPhone 4、新型「iPhone 4S」はどうなる?
・iPhone 3Gから3GS/4まで、iPhoneのこれまでの売れ行きを振り返る
【スマートフォン関連アイテムのランキング】
・携帯電話・スマートフォンのランキング
・スマートフォンアクセサリのランキング(ケース・保護フィルム・バッテリ)
・iPod/iPhone対応スピーカーのランキング
・ヘッドホン・イヤホンのランキング
・米アップル、カメラ機能を強化した「iPhone 4S」を発表、日本ではソフトバンクとauが販売
・KDDI、「iPhone 4S」の詳細を発表、キャンペーン適用時の実質負担額は16GBで0円
・ソフトバンクモバイル、「iPhone 4S」の詳細を発表、iPadとの2台持ちキャンペーンも
【発売記念セレモニー・店頭の様子】
・ビックカメラ有楽町店でみる「iPhone 4S」、ソフトバンクとKDDIの違い
・KDDI、iPhone 4Sの発売セレモニー、au復活に向けて「これからが始まり」と田中社長
・ソフトバンクモバイル「iPhone 4S」発売、孫正義社長がスティーブ・ジョブズ氏への思いを語る
・iPhone 4Sを先着順・当日販売したアップルストア銀座、いち早く手に入れたい人が大集結
【これまでの「iPhone」の売れ行き】
・「auもiPhone販売」の報道後も売れ続けたiPhone 4、新型「iPhone 4S」はどうなる?
・iPhone 3Gから3GS/4まで、iPhoneのこれまでの売れ行きを振り返る
【スマートフォン関連アイテムのランキング】
・携帯電話・スマートフォンのランキング
・スマートフォンアクセサリのランキング(ケース・保護フィルム・バッテリ)
・iPod/iPhone対応スピーカーのランキング
・ヘッドホン・イヤホンのランキング