PC用光学ドライブ市場と光学メディア市場が、ともにシュリンクしてきた。ノートPCではドライブを搭載しないモデルが常時3割を占めており、ドライブ市場には追い風となっているが売れ行きは好転せず、販売台数伸び率(前年同月比)が断続的に低下しつつあるためだ。この背景には、CDやDVD、BDといったメディアの役割が、徐々に終焉を迎えつつあることも影響している。そこでPC用ドライブ市場とメディア市場について、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングをもとに動向をみた。

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 直近2年間のノートPにおけるドライブ非搭載台数比率を算出したところ、2015年8月から17年3月までは2割前後で推移していたが、それ以降は、常に3割台で推移していることが分かった。そこでCD-ROM、CD-R・RW、DVD-ROM、記録型DVD(BD対応含む)を合計したPC用ドライブ市場の販売台数指数、伸び率を集計してみた(図1)。台数伸び率では、まれに2ケタ減を記録するものの大きなマイナスで推移することはあまりないようにみえるが、15年8月の販売実績を「1.00」とした台数指数でみると、2年後の17年8月には「0.84」まで縮小していることが分かった。

 これまでCDやDVD、BDメディアは、音楽や動画の販売、レンタルに数多く用いられてきた。しかし、高速で大容量の通信に適した光回線の普及を背景に、ストリーミングの音楽や動画配信が次々とサービスインとなり、メディアによる再生需要が後退していることも、PC用ドライブ市場の縮小に拍車をかけているといえそうだ。現在もこうした配信サービスの会員数は伸びており、今まで以上にメディアを再生する機会が減少すれば、PC用ドライブの需要減は避けられないだろう。
 
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 このPC用ドライブ市場よりも深刻なのが、CD・DVD・BDのメディア市場だ。ここでも枚数指数と枚数伸び率をみていこう(図2)。ここでいう枚数とは、複数枚のメディアがパックで販売されていることが多いため、パックされている枚数と販売数量を掛け合わせた「ばら枚数」を使い算出している。まず、15年12月はimationと太陽誘電が相次いで撤退したため、一時的に枚数指数は跳ね上がったものの、枚数伸び率は前年を上回ることができず、伸び率はほぼ毎月2ケタ減で推移。ようやくマイナス幅は落ち着くも、枚数指数では17年8月に「0.76」と2年前の4分の3にまで、市場規模は縮小している。

 レコードがCDへ、ビデオカセットがDVDへと、アナログからデジタルへ転換したが、今度はメディアを介したコンテンツ配給からインターネット配信へと提供方法が変化している。メディアに保存していた「デジタル資産」を外付けHDDやUSBメモリなどにコピー(リッピング)しておかなければ、近い将来、現在所有している資産が見られなくなる可能性は高い。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。