自動車事故や衝撃映像などをテレビ番組で放映する際、よく使用されているのがドライブレコーダーで撮影された映像だ。その映像が、事故や事件の解決に貢献したという報道を目にする機会も増えている。BCNが2016年6月に実施したアンケート調査によると、ドライブレコーダーを搭載することで「安全運転を意識するようになった」とした回答が5割以上にも達し、ドライバーの意識向上にも一役かっている。このドライブレコーダーはカーショップや家電量販などでも販売されるが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」をもとに販売動向を分析してみると、売れ行きが拡大し、シェア争いが激化していることが分かった。

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 今から約1年半前の16年1月の販売台数を「100.0」とした指数でみると、16年3月以降で「100.0」を割り込んだのは17年2月だけで、これ以外は好調に推移(図1)。特に17年6月は「134.0」、7月は「153.7」と、直近2か月の伸びは顕著だ。また、昨年12月以降は指数が2ケタ増で推移する月が多く、売れ行きが高まっていることを示している。
 
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 市場の拡大が進むなか、メーカーのシェア争いも激しくなっている。16年1月時点ではユピテルが36.4%でトップ、2位のJVCケンウッドとは20ポイント以上の差をつけていた(図2)。その後、両社の攻防は激化し、2強時代を彷彿させてきたが、今年に入ってからはコムテックが躍進。3月にトップシェアを奪取して以降、5か月連続で首位に君臨するようになった。ただ、主導権争いは始まったばかりで、いまは三つ巴の様相を示しはじめている状況だ。

 各社のせめぎ合いとシェアの因果関係を探るため、昨年12月以降のコムテックの主力製品の動きをみていくこととする。コムテック製品の中で最も売れているのは「ZDR-012」で、昨年11月の平均単価は1万1700円台であったが、シェアを伸ばし始めた12月以降は9200円台まで下げており、競合との価格差が躍進する原動力となっていることが分かる。これを裏づけるように、昨年実施したアンケート調査でも、購入する際の「価格重視」が最も比率は高く、「画質」や「録画」といった性能面を上回っている。コムテックの躍進は、価格優位性にあるとみていいだろう。

 このアンケート調査では、自動車所有者のうち、ドライブレコーダーを自動車に装備している人は13.0%程度にとどまった。本格的な普及を前にした助走期の段階とはいえ、家電量販店市場では販売増が続いていることから、今後、シェア争いは一段と激しさを増すことになる。(BCNアナリスト 山口渉)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。