2017年7月28日に「iPod nano」と「shuffle」が販売終了になった。これを受けて家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングでiPodシリーズの種類別に構成比を算出したところ、nanoとshuffleが販売終了が発表になった週では、構成比に変化がみられた。量販店での販売は在庫限りとなるため、需要が集まったと言ってよい。ここでは14年の「iPod classic」の販売終了時と今回を比較。nano、shuffleの販売終了が携帯オーディオプレーヤ(DAP)市場にもたらす影響度を考察してみた。

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 DAP市場は2010年をピークとして急速に規模を縮小している。07年上期(1-6月)を「100.0」とした販売台数指数を算出したところ、10年上期は「112.1」、同年下期(7-12月)は「111.4」となった(図1)。しかしその後、DAP市場は縮小し始め、17年上期には「26.8」と市場規模は最盛期の約4分の1にまで落ち込んだ。10年当時の動きを振り返ってみると、スマートフォン市場が立ち上がりつつあり、ソニー・エリクソンが4月に「Xperia(SO-01B)」、アップルは6月に「iPhone 4」をそれぞれ発売。この時期からアップルはDAP市場からスマートフォン市場へと軸足を移し始め、DAP市場でのシェアは右肩下がりに転じる一方、ソニーは10年下期以降、首位を維持している。
 
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 今回のiPod nano、shuffleと、iPod classicの販売終了(14年9月)に伴う変化を、終了が公になった週を含めた4週のiPodシリーズの内訳がどのように変化したか比較してみよう(図2)。まずiPod classicの販売終了が明らかになった、14年9月10日を含む09/08週('14/9/8-9/14)のiPod classicの台数構成比は、22.7%に達した。その前の3週間は5%程度であったが、割合は4倍以上に膨れ上がったことが分かる。同様に今回のiPodシリーズの内訳をみると、iPod nanoは約4割、iPod shuffleは1割弱程度だったが、07/24週('17/7/24-7/30)になると前者は46.3%、後者は19.6%にまで構成比が高まった。流通在庫のみで、今後入手が困難になるため、販売台数が増加したと考えられる。DAP市場全体に占めるnanoとshuffleの比率は10%程度であり、この特需が終了した後には若干の影響が出て、市場の縮小傾向は進みそうだ。

 iPod classicの時はシリーズ内で5%程度であったため販売終了によるシェアへの影響度は軽微であった。しかし、今回はnanoとshuffleを合わせて5割近い構成比を占めており、単純計算するとアップルのシェアは半分にまで落ち込むことになる。アップルはiPod touchにラインアップを絞り込んだが、ソニーはエントリーからハイエンドまで製品を取り揃えているため、今後の市場はソニーの一人勝ちになるだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。