ここ数年、耳にする機会が増えた「ハイレゾリューション」(ハイレゾ)について、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングをもとに、ヘッドホンとヘッドセットの市場でどれほどの影響を与えているのか探ってみた。

201707200938_1.gif

 近年よく耳にするようになったハイレゾ対応。日本オーディオ協会によると、高域再生性能が40kHz以上であることを、スピーカー・ヘッドホンにおけるハイレゾ対応機器と定義している。この定義に照らし、40kHz以上を対象とした販売数量比率を算出したところ、2015年6月時点ではわずか3%程度で、17年に入っても6%前後と緩やかな比率増にとどまっている(図1)。この比率が急速に増えない大きな要因として単価差が挙げられる。ハイレゾ非対応製品の単価はここ2年間、3000円前後で推移している。一方、ハイレゾ対応の単価は下落しているとはいえ、1万円を超えている。両者の価格差は3倍以上。この単価差がハイレゾ普及の足かせになっており、現状ではさほど影響力はないと言える。

 BCNがかつて実施したアンケート調査によると、回答者の7割前後がハイレゾに興味を持っていたが対応製品の所有率は低く、興味を持ちつつも普及はなかなか進んでいないのが実態となっている。この背景には単価差に加え、対応製品の特性を生かすにはハイレゾで録音された音楽ファイルを別途購入する必要性があること、再生するための機器も揃えなければならず、投資がかさむことが大きな障壁となっている。こうした点からも、ハイレゾ製品の市場が拡大するには、まだ時間がかかりそうだ。