スマートフォンカメラの高機能化の煽りを受け、コンパクトだけでなく、一眼レフを含むデジタルカメラ市場全体は前年割れが続いている。レンジファインダー含むミラーレス一眼(以下ミラーレス)も同様だが、6万円以上の高価格帯に絞ると、今年10月の販売台数伸び率(前年同月比)は13か月ぶりにプラスへと転じ、市場全体に占めるミラーレスの台数比率も3割台から5割台へと上昇、存在感を高めている。特にオリンパスの1、2年前に発売された型落ちモデルの台数増が後押しし、なかなか回復の兆しがみえない市場を下支えしている。


 ミラーレス全体の販売台数伸び率(図1)をみると、13か月続けて前年比2~3割減と低迷したまま。これを、平均単価で6万円以上と6万円未満に分けると、6万円以上の高価格帯の下げ幅は全体よりも小さい。ただし、16年9月以降は全く異なる傾向をみせ、高価格帯では13か月ぶりに伸び率はプラスへ転じ、10月は104.4%まで回復した。一方、低価格帯はマイナス幅が拡大しており、10月の伸び率は57.7%と落ち込んだ。価格の安い製品が停滞、逆に高価格帯の製品が踏ん張ることで、ミラーレス市場の落ち込みを食い止める展開となっている。
 

 高価格帯の伸び率が回復した要因を探るため、6万円以上のミラーレスを展開する上位5メーカーの台数伸び率を抽出すると、直近2か月では、好・不調が二極化していることが分かった(図2)。オリンパスとパナソニック、富士フイルムの3社が好調で、いずれも伸び率が160%以上だ。特にオリンパスは183.5%と伸び率が最も高く、メーカーシェアも5割弱でトップ。オリンパスの比率増が、ミラーレス市場全体に及ぼす影響力は大きい。一方、不調が続いているのはキヤノンとソニーの両社であった。

 今年9月と10月に、高価格帯で前年比を大きく超えたオリンパス。その原動力となったのが、14年9月発売の「PEN Lite E-PL7 EZ ダブルズームキット」と15年9月発売の「OM-D E-M10 Mark II EZダブルズームキット」の2製品だ。どちらも発売当初から平均単価は2万円ほど落ちており、単価の下落と比例し、販売台数を伸ばしている。

 同メーカーから今年発売された製品はいくつかあるが、製品のスペック自体はあまり変わらなかったためか、もともと高価格帯で高機能ではあるものの、価格が下がったコストパフォーマンスの良い型落ちモデルにニーズが集まっている。また、オリンパスだけではなく、前年比が伸びたメーカーで共通しているのは、型落ちモデルで平均単価の下落が大きい点だ。この差が好・不調の二極化に影響していると考えられる。