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ビックカメラ、視覚障がい者の歩行を振動でナビゲートするデバイス「あしらせ2」のトークショー&体験会を開催

イベント

2024/10/28 19:00

 ビックカメラは10月26日、ビックカメラ有楽町店1階のピロティで視覚障がい者のためのナビゲーションデバイス「あしらせ2」の「ユーザー&開発者トークセッション」を開催した。あしらせ2は、靴に装着して振動でナビゲーションする世界初のデバイス。価格は5万4000円で、11月1日からビックカメラのコンタクトレンズ取り扱い21店舗で販売する。有楽町店では10月21日から販売している。

Ashiraseの「あしらせ2」

ホンダ発のスターアップが開発

 あしらせ2は、ホンダ発のスタートアップであるAshiraseが開発したデバイス。靴に装着するデバイスと専用のアプリ(iPhone)を使って、聴覚や視覚による地図情報に頼らず、足元への直感的な振動を通じて目的地まで案内する。視覚障がい者の歩行をサポートするデバイスだが、スマホで地図の「ながら見」をしないで済む点から、健常者にも便利なデバイスだ。
 
Ashiraseの千野歩代表取締役CEO(左)と
ブラインドサッカー元日本代表の落合啓士さんによるトークショー

  足の甲や外側、踵の3カ所が進むべき方向に合わせて振動しながらナビゲートするので直感的にわかりやすい。また、曲がり角に近づくと振動が短くなるなど、振動の長さの違いで知らせてくれる。スマホを都度取り出したり、ルート確認で音声に集中したりすることがなくなる。

 ナビゲーションには、ホンダの自動運転の技術が使われている。独自のアルゴリズムで、GNSS測位情報と足のセンサから得るユーザーの動作データをもとに、歩きやすいルートを提案する。
 
振動で歩行をナビゲート

 ビックカメラの松浦竜生執行役員営業部長は「すでにたくさんのお客様から、こんな便利な商品があったんだ、試せてよかったといううれしい声をいただいている。このようなすばらしい商品の取り扱いを増やしていきたい」と販売への意欲を示した。
 
ビックカメラの松浦竜生執行役員営業部長

 Ashiraseの千野歩代表取締役CEOは「視覚障がい者の歩行をサポートすることから開発が始まったが、最近ではスマホの地図が読めない方など一般のユーザーにも便利なデバイスであることもわかってきた」と、幅広いユーザーに訴求していく。
 

ブラインドサッカー元日本代表の落合啓士さんが参加

 トークショーには、ブラインドサッカー元日本代表の落合啓士さんも参加。「視覚障がい者は白杖(はくじょう)を持つが、雨の日は傘とスマホと白杖を持たなければならない。あしらせ2ならスマホを持つ必要がなく雨の日も快適に歩ける」と、あしらせ2の使い勝手の良さについて語った。

 また、「視覚障がい者は目的地の近くまで行けるけど、入口にたどりつくまでそこから5分かかったりする。あしらせ2を使うと、それがほぼなくなった」と、実使用で便利なデバイスであることをアピールした。
 
会場の様子

 ほかにも、海外旅行でスマホの地図を見ながら歩いていると、スマホの盗難が狙われるが、あしらせ2ならスマホの盗難リスクが避けられるなど、いろいろな便利な使い方を紹介していた。(BCN・細田 立圭志)
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